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地域医療を支える医師にインタビュー

タレントゲートの大学生インターンが、在宅医療に積極的に取り組んでいる地域の病院・クリニックを訪問。薬学生がなかなか直接知ることができない医師の想いや、これからの薬剤師に期待することをうかがってきました。

医療の担い手として、“今”の時代が求めるあり方を模索していきたい

浅草二天門クリニック/東京都台東区
竹﨑 伸一郎先生
http://www.fujimoto-clinic.or.jp/asakusa_nitenmon_clinic.html

ベテランの皮膚科医が在宅医療をはじめた理由とは

― 竹﨑先生は、皮膚科のご経験が長いそうですね。

そうです。もともとは精神科医を目指していたのですが、学生時代、すばらしい皮膚科の医師と出会ったのを機に志望を変えたんです。そして実際に皮膚科医となり、大学病院をはじめとするいくつかの医院で、研究や臨床の経験を重ねてきました。

― 皮膚科医としてご活躍だった竹﨑先生が、在宅医療に取り組もうと考えたきっかけは何でしたか?

私は医師として、臨床、研究、そして大学での教育にもひと通り携わってきました。そのうえで、自分が今後どんな医師であるべきかを改めて考えたんです。

そこで、やはりこれからは地域医療、在宅医療だろう、と。

― 現在の社会課題から、そう思われたのですか?

はい。私は、その時代が求める医療の担い手でありたいと思っています。近い将来、日本ではすべての世代の中で、高齢者が最も多くなる時代がやってきますよね。そうすると、今の病院のあり方ではもうフォローしきれず、「看取り難民」が増えることになります。

そこで必要になるのが、地域ごとの在宅医療。大勢の人がその地域で最期まで暮らすことを、私たちが支えていかなければなりません。

これからの医療は 患者が「ホスト」で医師は「ゲスト」

― 在宅医療が一層必要になることをふまえると、「これから求められる病院のあり方」とは、どんなものになるのでしょうか。

これまでは、医療関係者側が「ホスト」で、患者さんはあくまでも「ゲスト」という関係でした。しかし在宅医療になると、それが逆になるんです。「ホスト」が患者さん側となり、私たちが「ゲスト」としてご自宅を訪問し、そこで御用を聞いて必要なものを提供していくことになります。まずはそれが大きな変化なのではないかと思います。

― なるほど。しかしそうした意識の変化もふくめ、なかなか体制づくりが進んでいない地域もあると聞きます。

確かにそれはあるでしょう。しかし、浅草ではそのための取り組みが増えていますよ。

― そうなんですね!

例えば、薬局の薬剤師さんが中心となってNPO法人を立ち上げ、在宅医療にどう関わるべきかをはじめ、末期医療の緩和ケアなどについて模索しているグループがあります。

さらに「かかりつけ薬剤師」から依頼を受けて、私のような皮膚科医が患者さんの褥瘡(床ずれ)を診ることもありますしね。

この地域では、そうした連携の動きが活発に起きています。

在宅の現場では 薬剤師の存在が重要になる

― 薬剤師が往診に同行することもあるのですか?

もちろんです。

― その中で、竹﨑先生が「この薬剤師さんはいいな」と感じるのはどんな方ですか。

患者さんのお宅にうかがうときに、薬のこと以外にも気を配り、状況を見て私たち医師に伝えてくれると助かりますね。

例えば、ある高齢の患者さんで、インシュリンを自分で打ってもらっている方がいるんです。ただその方、目が不自由なんですよ。それでも一人暮らしだから、自分でやるしかない。

― それは……大変ですね。

その患者さんには担当の薬剤師さんがいるのですが、薬を届けたり、残薬チェックをしたりするだけではなく、使用済みの注射針をきちんと回収したうえで、患者さんの状況をしっかり観察し、医師に報告してくれるんです。

― そういう動きができる薬剤師さんを求めているのですね。

そうですね。管理加算があるからそれに乗っかろうという立場ではなく、「自分たちもこの患者さんを看ていくんだ」という意志を持って動いてほしいです。実際、在宅医療の現場では、薬剤師さんの役割がとても重要ですから。

これまでの「業界の慣習」は もう通用しない

― 今年(2016年)4月の診療報酬改定で「かかりつけ薬局」に関する内容が反映されましたよね。それ以前に、在宅医療の現場に対応できる薬剤師が増えなかったのはなぜなのでしょうか。

おそらく、医薬品業界全体の問題があったのでしょう。ある意味、今まで特殊な慣習の中で動いてきたことが、今ようやく可視化され、変わってきているのだと思います。

薬局も、病院と同じでこれまでは「ホスト」の立場だったんですよね。でも、昔の流儀ではもう成り立ちません。これからは自分たちが「ゲスト」となって、患者さんの元を訪れる立場であることを意識しないと。私たち医師も、今、医師会主導で必死にそれをやっていますから。

― それはなぜですか?

将来、役に立たない医療機関にはなりたくないですからね。おそらく薬局でも、あと1年くらいたてば動きが出てくるのではないでしょうか。

― やはり時間がかかりますよね……。

薬剤師さんたちの場合は、まだ在宅医療、地域医療について教えるカリキュラムができていないというのも大きいと思いますよ。医学部では最近、「総合診療」 「かかりつけ医」など、医療の新しいキーワードに触れる科ができはじめているんです。

― そうなんですか。

でも、薬学部ではまだそれがない。「地域薬剤学」というか、在宅医療、地域医療の現場でどう知識を役立てるべきか、これからはそうしたことを教える場所が必要だと思います。

過去のあり方にとらわれず 自分の「武器」を身につける

― 最後に、これから薬剤師を目指している薬学生に対してひとことメッセージをいただけますか?

一口に薬学生、薬剤師といっても、いろいろな生き方がありますよね。そうした中でも何かひとつ、自分の得意分野を持つといいと思います。

例えば、緩和ケアで使用する麻薬について徹底的に勉強するとか、認知症の薬に関する達人になるとか。

幅広く、何でも知っているのも大事なことです。でも今後は、「この分野に詳しい」という武器を持っていると強いのではないでしょうか。

― その道のスペシャリストになるということですね。

さらに、旧態然とした薬剤師の業務や、薬局の在り方を乗り越える気概も必要です。これからは、「今までと同じで大丈夫」という世の中ではなくなってきますから。

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