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地域医療を支える医師にインタビュー

タレントゲートの大学生インターンが、在宅医療に積極的に取り組んでいる地域の病院・クリニックを訪問。薬学生がなかなか直接知ることができない医師の想いや、これからの薬剤師に期待することをうかがってきました。

患者さんが、住み慣れた地域で一生過ごせる医療体制をつくっていきたい

明正会錦糸町クリニック/東京都墨田区
安池 純士先生
https://www.meisei-g.com/lp/kinshicho/

地域で暮らしている人を最期まで支える存在として

― 安池先生が、在宅医療を必要だと感じたきっかけを教えてください。

病院は基本的に、患者さんを「治す場所」です。だから治療が終わってしまえば、あとは病院や医療機関との関わりがなくなってしまう。でも患者さんの側からすれば、退院後の生活もずっと続いていくんです。

― そうですよね。

日々の生活の中で、いつまた治療が必要になるかわかりません。また高齢の方の場合は、どう最期を迎えるかという話にもなってきます。これまでは、そうした患者さんの「生活」につながる医療サービスが十分提供されてこなかったんです。

フォローできる医師や医療関係者が少ないため、いざ何かが起きたとき、必ずしもご本人や家族が望む形になっていないことが頻繁にあると思います。

― それは、具体的にどんなことですか?

「本当は病院に行かず、最期まで自宅で過ごしたかった」とか、「大きい病院に運ばれたけど、通い慣れた近くの病院の方がよかった」とか。そういった患者さんが、この10年くらいで増えてきている印象があります。

だからこそ、地域の中でそうした患者さんの“交通整理”をする、「かかりつけ医」の役割が必要だと感じたんです。一人ひとりの患者さんが人生の最期を迎えるまで、その地域で生活していくことを支える人がいなければならない、と思っています。

在宅医療の課題は専門医との連携で解決できる

― 在宅医療の問題として、「ポリファーマシー」などが挙げられていますが、それらについて安池先生はどうお考えでしょうか?

結局、そうした問題というのは、1人の患者さんをトータルで看ている医師がいないから起きるんですよね。薬に関しても、いろんな科でそれぞれのものを個別に出されてしまうので。

でも「かかりつけ医」が1人いれば、それも解消すると思います。

例えば自分の患者さんに「なんか最近胸がドキドキする」といわれたら循環器内科に送り出し、その後の経過をまた自分が「かかりつけ医」として続けて看ていけばいい。

― 専門医とかかりつけ医が、両方存在するということですね。

そうです。私たちが今やりたいと思っているのが、まさにその体制づくり。一旦、患者さんのすべてを「かかりつけ医」が引き受け、必要であればそれぞれの専門医の先生に紹介するしくみを作ろうとしているところです。

薬の専門家としてプロの視点からアドバイスを

― 安池先生が目指している在宅医療の形の中で、薬剤師はどう立ちふるまっていけばよいでしょうか?

そうですね。在宅医療ではかかりつけ医のほかにも、当然多くの関係者がいます。でもやはり、医師や訪問看護師、ケアマネージャーさん、そして家族がいても、フォローしきれない部分がどうしても出てくるんです。

そこで、薬剤師さんが患者さんのもとを訪れたとき、薬の説明や服薬状況の確認をするだけではなく、患者さんの状態をよく見て、訪問看護師やかかりつけ医に知らせてくれるだけでも助かります。

― 担当する薬のことだけではなく、患者さんの様子をよく見ておくということですね。

そうです。少しでも何かが普段と違っている場合、患者さんの身体の中で何か異変が起こっている可能性がありますから。

また患者さんの立場からしても、医師にはなかなか言いにくいこと を、看護師や薬剤師さんになら言えるということもあるでしょうからね。

例えば、医師から「この薬を飲め」といわれたけれど、説明された内容がよくわからなかったとか、「この薬は併用して大丈夫か」という不安とか。

そのうえで、「そういうことを患者さんに聞かれた」と医師に伝えてもらえれば、私たちもコミュニケーションの仕方を見直す材料になりますから。

― 特に在宅医療の現場では、患者さんの様子をこまめに連絡するなど、医師と薬剤師が積極的にコミュニケーションを図っていく意識を持つべき、と。

はい。在宅医療の現場では、患者さんやその家族とはもちろんのこと、他職種間で連携できるようなコミュニケーション能力は必要です。さまざまな専門職が集っていますから、お互いの立場や役割を尊重したうえで、適切なコミュニケーションを取ることが大切です。

― 医師という立場から、在宅医療の現場で薬剤師に期待することはありますか?

私たち医師は薬を処方する立場ですが、薬剤師さんたちに比べると、細かい部分の専門知識までは持っていないんです。そのため、薬に関するアドバイスがもらえたら助かります。

― 例えばどんなアドバイスを必要とされていますか?

今、次々と新しい製剤が出てきますよね。今までと同じ薬でも、より飲みやすくなっていることもあります。

ただ、医師の側ではそうした細かい情報までキャッチアップできていないことが多いんです。だからそうした情報をいろいろと教えてもらえたらいいですね。

― 薬に関する情報は、製薬メーカーのMRからも得ていると思いますが、それとはまた別の情報を求めているということでしょうか。

MRは、基本的に特定の会社の中の人なので、どうしても自社製品に対してバイアスがかかった情報になってしまいます。それが悪いということではなく、それがMRの方の仕事ですから仕方ありません。

そうしたバイアスがまったくない、公平な視点の情報はやっぱり必要なんです。薬剤師さんに求めるのはそうした情報の提供ですね。

地域での交流の場に薬剤師も参加してほしい

― 現在、病院としてこの地域でどんな取り組みをしているか教えてください。

毎月1回、地域交流セミナーを開催しています。そこにはこの城東地域のケアマネージャーさん、訪問看護師さん、その他医療・介護関係の方が参加してくれています。薬剤師さんの参加はまだ少ないので、ぜひ積極的にきてほしいですね。

― 薬剤師に関しては、まだ在宅医療にそこまで積極的ではないのが現状なのでしょうか?

おそらく、どう関わっていいのかわからない方が多いのではないでしょうか。薬剤師は、急に在宅への関わりが推進されるようになったばかりですからね。

参入が大変そう、というイメージもあるのでしょう。「24時間やらなければいけないのか」など、不安も大きいと思います。

現状、24時間の対応が必要そうな患者さんに関しては、夜間や休日対応ができる大手グループの薬局を中心に、連携を行なってフォローしているところです。

住み慣れた地域の中で最後まで暮らしていける体制を

― 医師の先生方の中でも、やはり在宅医療、訪問診療への注目は高まっているのでしょうか。

そうですね。どうしても、24時間365日という体制が「きつそうだ」と躊躇される方はいるようです。ただ24時間体制といっても、私たちの病院では複数人の交代制で行なっているので、そこまで大変というわけではありません。

― 最後に改めて、安池先生が在宅医療に取り組む理由を教えてください。

住み慣れた地域の中で、最期まで過ごしたいという患者さんに対して、私たちができることをしていきたいんです。

通院されていた方が歩けなくなれば訪問診療しますし、入院されていた方でも、最期はご自宅に帰りたいと言うのであれば、その希望をできる限り叶えたい。私たちはこの地域の病院として、それができる体制を全力で作っていきたいと考えています。

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