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次世代の薬剤師たち

「薬剤師である前に一人の“支援者”として、患者さんと向き合っていく」

「日本を代表する薬局を目指す」過渡期の現場に飛び込む

「私たちは、ここを多機能型の薬局にしたかったんです。そこでまず、はじめに取り組んだのが在宅の案件でした。多くのスタッフが戸惑う中、うまく流れを作ってくれたのが彼だったんですよね」

株式会社ファーマシィの東京支店 支店長である孫尚孝氏がそう評するのが、薬剤師の山根孝太氏だ。入社4年目、在宅業務の牽引役として、今現場でさまざまな活躍をしている若手の一人である。

全国でおよそ80店舗の薬局を展開する、株式会社ファーマシィによって運営されている大蔵薬局。東京都世田谷区で、「日本を代表する薬局を作る」というミッションを掲げて多くのことに取り組んでいる。

同薬局は規模が大きく、在籍している薬剤師は10数名、1日に扱う処方箋の枚数は平均すると200枚ほどだ。地域の基幹病院からクリニックまで、処方箋を受け付けている医療機関の数はおよそ250か所にも及ぶ。 山根氏が配属となったのは、ちょうど新たなミッションを受けて現場が急速に変わりはじめていた時期だった。

「まさに過渡期でしたね。私自身は急に在宅をやることになりましたし、他にも無菌調剤をはじめたり、小児在宅への対応に取り組んだり。いきなり、大きな流れのど真ん中に入ってしまったような感じでした」

薬局としてのポテンシャルを最大限発揮するために、調剤やOTCはもちろん、在宅や他のサービスにも幅を広げていく。山根氏は、“多機能型”を目指す薬局の中で、新しいチャレンジをしていくことになったのだ。

将来の社会を見据えて、いま自分がやるべきことを考えた

山根氏が薬剤師を志したのは、現実の世界で人の役に立てる、医療の仕事にひかれたからだった。しかし具体的に、将来のキャリアについて決めていたわけではない。薬局で働こうと考えるきっかけとなったのは、学生時代に実習で訪れた薬局で、薬剤師を取り巻く業界全体の変化を知ったことだったという。

「これからの業界の広がりを感じ、それなら自分にも合っている環境なのではないかと思ったんです」

さらに、過疎化が進む地方における薬局のビジネスモデルに触れる機会もあった。そこで山根氏は、これから高齢者がどんどん増え、何十年後には全国で過疎化する地域が出てくるという話を聞いたのだ。

「近い将来、そういう問題が日本で起きるとわかっているなら、自分からその未来に合わせた働き方を選んでいくのもアリかな、と思うようになりました」

そんな彼にとって、「これからは薬剤師が主体で地域医療を作っていく」というビジョンを描いていたファーマシィとの出会いは刺激的だった。

各地域で、薬剤師自身が主導することによって医療を立ち上げ、根づかせていく。山根氏の目には、そうしたことにチャレンジできる環境がとても魅力に映ったのだ。

「そうした大きなビジョンがある薬局なら、新しいチャレンジに対しても、きっといろいろなサポートをしてくれるはず。それはすごくおもしろいと思いました」

調剤、OTC、そして在宅。「ジェネラリスト」である意義

大蔵薬局では、在宅業務を「地域医療」という大きな枠組みの中のひとつとして位置づけている。山根氏が入社間もなく取り組むことになったのが、その在宅業務だった。

とはいえ、完全に在宅だけを専門とする薬剤師になったわけではないという。同薬局では、薬剤師にも“ジェネラリスト”としての資質を求めていたからだ。

「薬剤師として、専門特化するのもひとつの道です。でもこの薬局では、外来の調剤もできて、OTCも理解しているからこそ、地域に出て在宅に取り組んでいくことができる、という考え方をしています。それこそが『かかりつけ薬局』のあるべき姿ではないか、と」

実際、幅広い業務をカバーしている同薬局には、あらゆる医療機関から相談が寄せられる。それは、多様な仕事を任せられる薬局として、多方面から信頼を得ているからに他ならない。

在宅業務そのものについても、そのフォロー範囲はとても広いのだという。

「慢性疾患の患者さんもいれば、小児の患者さんもいます。またお医者さんの往診に同行して、老人ホームなどの施設を訪れることなどもありますね」

在宅の場合、外来調剤と比べると他の医療関係者とチームで仕事をする機会が格段に多くなる。そこで、新たに気づいたこともあった。

多くの関係者との協業で、医療に関わっている実感を得る

「薬局の中にいると、実際に患者さんが薬を飲んで、その結果どう改善したか、というところまで見届けるのが難しいですよね。でも定期的に往診に同行すると、その患者さんの症状に対して、どのくらいの量の薬でどんな効果があったのかがよくわかるんです」

薬の効果を自分の目で確かめられるため、「実際の治療ではこうなる」という新たなインプットが蓄積されていく。そして患者の様子を見て、医師と相談しながら方針を決め、一人ひとりの生活を支えていく。そうした医師や患者との密なやり取りから、医療に関わっているより強い実感が得られる。

「在宅医療は、患者さん一人ひとりに対する完全オーダーメイドの医療なんですよね。だから私たちの選択肢も、『治療を最優先にしない』というものから、長期的に生活を支えていくようなものまでさまざまです」

だからこそ在宅に関わる薬剤師は、状況に応じてフレキシブルな対応ができなければならない――山根氏はそう考えている。そしてそれは、薬剤師ひとりの努力で完結できることではない、とも。

「私たちが関わるのは、医療機関や関係者だけではありません。例えば地域包括支援センターさんに相談したり、ボランティアのみなさんに力を借りたりすることなども含めて、その地域にどんな社会資源があるかを理解しておく必要があります。そうしないと、適切な提案はできませんから」

薬剤師である前に患者さんの“支援者”として

地域と深く関わりながら医療に携わっていくとき、薬剤師も薬のことだけを考えているわけにはいかない。

「まずは患者さんの要望や地域の事情を理解して、そのうえで生活に根ざした薬剤管理をしていく必要があります。薬剤師としてどうふるまうかではなく、その患者さんを支える1人の“支援者”であることを、いつも先に考えていますね」

そうしたスタンスで関わることで、自分自身の専門性を活かすことができる。地域医療がうまくいっているエリアは、そうするための情報が、地域ケア会議などできちんと共有されているのだという。

「会議では、近所のゴミ屋敷をどうするかとか、災害時の避難場所についてとか、生活にまつわる雑多な話が出てきます。その中で、ボランティアの情報が入ってきたりするんです。そしてやはり、必ず出てくるのが薬についてのトピックスなんですよね」

家で薬が余っている、家族が薬を飲んでくれない、薬の処分の仕方がわからない。山根氏が地域の会議や会合に顔を出すと、必ずそうした悩みが寄せられるそうだ。

「でもなかなか、そうした場に参加する薬剤師が少ないのが現状なんですよね。在宅と、その先にある地域医療の現場では、薬剤師が役に立てる可能性がまだまだあると思います」

山根氏自身も、まだ薬剤師としてのキャリアを踏み出したばかりだ。「これからは薬剤師が主体で地域医療を作っていく」――大きなビジョンのもと、彼の新しいチャレンジは続いていく。

Profile

山根 孝太(Kota Yamane)

2012年4月、株式会社ファーマシィに入社。新たな取り組みとして在宅案件を任され、地域医療との関わりを深めてきた。慢性疾患から小児医療まで、幅広い案件を手がけている。 JPEC認定薬剤師。

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自分の街に、本当に貢献できる薬剤師を目指して

患者さん一人ひとりとのつながりを大切に、必要とされる理想の薬剤師を目指す

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これからの地域医療を見据え、いま薬剤師がすべきことに、しっかりと取り組む

「薬剤師である前に一人の“支援者”として、患者さんと向き合っていく」

「終末期医療の本来のあり方は闘いではない。よりよく生きるためのサポートだ」

入社3年目で、在宅業務を一手に引き受ける女性薬剤師の奮闘

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