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次世代の薬剤師たち

患者さん一人ひとりとのつながりを大切に、必要とされる理想の薬剤師を目指す

龍生堂薬局 髙野 直人(Takano Naoto)

憧れた先輩の背中を追って、同じ薬局に就職

「学生の頃は、病院に勤務して患者さんと交流を持ちながら、最先端の医療に携わりたいと思っていました。ただ薬局でも、患者さんの相談に乗る機会が多いことがわかり、薬局に勤めることにしたんです」

そう話すのは、龍生堂薬局 新大久保店で働く薬剤師、高野直人氏だ。薬学生のときに龍生堂薬局で実習を経験し、それをきっかけに入社を決めた。2017年現在、入社4年目になる。

同薬局は新宿区で開業されて80年以上の歴史を持つ老舗の薬局である。現在は、新宿を中心に都内で30店舗を展開している。

高野氏がここで働きたいと強く思ったのは、実習の際に指導をしてくれた先輩の女性薬剤師の影響だった。

患者と話すのが非常に上手く、症状や食生活など、薬を処方する上で知るべき内容をきちんと聞き出す。そして患者も、その対応に満足して帰っていく。その姿を見て、高野氏は自分もそんな薬剤師になりたいと思うようになったそうだ。

「自分で理想を膨らませてしまうと、とても現実にはいないような薬剤師像ができあがってしまうと思います。だから実際に『将来こうなりたい』と思う薬剤師に出会えることがとても重要で。私はその人のような薬剤師になりたいと思ったので、同じ会社に入って一緒に働くことにしたんです」

個人宅から、手探り状態ではじめた在宅の仕事

高野氏は就職後、まず調剤業務からキャリアをスタート。外来患者の相談を受けるかたわら、OTCの勉強もはじめた。また大学から来る実習生のために開かれる集合研修で、講師を務めることもあったという。

そして入社して1年になろうとする頃、いよいよ在宅に関わることになる。同薬局では、個人の在宅患者を多く抱えていた。

「個人宅に行ったとき、薬剤師の最初の仕事は薬を整理することだったりするんです。スーパーの袋にいっぱいの薬が出てきたりすることもありますから。個人の患者さんは、そうした入り口のところから深く関わっていけるんですよね」

現在、新大久保店ではそうした在宅患者を40〜50人抱えており、3人の薬剤師で担当しているという。普段からやり取りしている医師も、20人以上になるそうだ。

当初は、比較的症状の軽い患者のもとを訪ねていたという高野氏。しかしはじめての単独訪問では対応に2時間もかかり、心配した別の薬剤師から電話がかかってくるほどだったという。

そうして手探り状態からさまざまな経験を重ねるうちに、担当する領域は広がっていった。

担当患者の死に直面し、薬剤師としてのあり方を見つめ直す

ようやく在宅の仕事に慣れてきた入社3年目のある日、高野氏は今でも忘れられない出来事に直面した。

当時担当していた患者の1人が、心不全で亡くなったのだ。病状が突然悪化してしまい、高野氏自身もそれをコントロールすることができなかったそうだ。

「担当していた患者さんが亡くなったのは、はじめての経験でした。ターミナルケアを必要としている患者さんに対しては、ある程度の覚悟ができていたんです。でもまさか、慢性疾患の方の死に直面するとは思わなかったので、本当にショックでしたね」

患者に対し、薬剤師としてもっとできることがあったのではないか――この出来事をきっかけに、高野氏は自分の働き方を見直すようになったという。

まずは一人ひとりの患者に病気とうまく付き合ってもらえるよう、薬剤師としての自分の考えを、積極的にドクターに伝えることにした。病院へ送る報告書に、患者の状態に加えて自分の意見も添える。もちろん、その根拠や具体的な研究結果などのエビデンスを添えることも忘れない。

在宅医療に関わる医師たちも、薬剤師の意見をどんどん聞きたいと思っていた人が多かった。こうして高野氏は少しずつ、「理想の薬剤師」に近づくために自ら考え、それを行動に移しはじめたのである。

医療関係者が集る勉強会で、薬の知見をシェア

さらに「自分にはもっと勉強が必要だ」と感じた高野氏は、勤務地の地域で開かれる医療の勉強会に参加しはじめた。そこには地域で開業している医師も多数出席しており、医療関係者同士の交流の場にもなっていた。

参加し続けているうちに、高野氏自身も薬剤師として話をする機会が巡ってくるようになった。

「ヘルパーさんやケアマネージャーさんなど、医療職に従事していない人に対し、薬について話をしています。医療関係者の間では当たり前の知識でも、他の職種の人たちにとってはあまり馴染みのない情報なんですよね」

薬を飲み忘れた場合はどうすればいいか、薬はどう保存すればいいか、はがれにくい湿布の貼り方は。勉強会を通じてそうした身近な知識を伝えることで、他職種の人からも喜ばれているそうだ。

そうした地道な活動が功を奏したのか、在宅の依頼はこの2〜3年で増え続けているという。

「医師やケアマネージャーさんなどから信頼していただけるようになってきたのかなと思います。薬剤師の考えや、活動内容を知っていただけたのが大きかったですね」

地域で一番「話しかけやすい医療職」であること

薬剤師として在宅医療に携わるようになり、少しずつ歩みを進めてきた高野氏。でも今、改めて「もう1歩上がらなければいけない段階にきている」と感じているそうだ。

「今後はターミナルケアに重点をおいて取り組みたいと思っているんです。患者さんが苦しまずに最期を迎えられるように、薬剤師としてできることをしていきたい、と」

ターミナルケアで接する患者との時間は短いが、患者本人はもちろん、ご家族の方からも薬剤師は強く必要とされる。それが自分自身のやりがいにもつながっている、と高野氏はいう。

現在、仕事の80%が在宅だという高野氏。最後に、これから自分たちの世代が果たすべき役割について聞いてみた。

「患者さんが病気になったとき、地域の中で一番話しかけやすい医療職が薬剤師だと思っているんです。だから患者さんから頼ってもらうにはどうしたらいいか、今後も引き続き考えていきたいですね」

大きな病院ではなく、地域のかかりつけ医へ、という流れが主流になりつつある中で、自分たちの役割を見定め、それを実践していく。それこそが、高野氏が理想とする薬剤師のあり方だという。

「龍生堂薬局の場合、在宅の仕事だけではなく、かかりつけ薬局としての外来の調剤業務も、OTCもあります。だから、受け取った処方箋通りの薬を患者さんにわたすだけでは完結しない仕事がたくさんあるんですよね。それが自分にとって、とてもいい刺激になっています」

Profile

髙野 直人(Takano Naoto)

6年生薬学部の2期生。2013年に薬剤師として龍生堂薬局に入社し、4年目を迎える。現在、新大久保店で在宅を中心とした仕事に取り組みながら研鑚を重ねている。

カテゴリの記事一覧

自分の街に、本当に貢献できる薬剤師を目指して

患者さん一人ひとりとのつながりを大切に、必要とされる理想の薬剤師を目指す

薬剤師として、いま医療の現場に足りない仕組みを積極的に構築していきたい

これからの地域医療を見据え、いま薬剤師がすべきことに、しっかりと取り組む

「薬剤師である前に一人の“支援者”として、患者さんと向き合っていく」

「終末期医療の本来のあり方は闘いではない。よりよく生きるためのサポートだ」

入社3年目で、在宅業務を一手に引き受ける女性薬剤師の奮闘

「在宅は簡単ではない。だからこそ、柔軟な若手薬剤師の力が必要」