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次世代の薬剤師たち

自分の街に、本当に貢献できる薬剤師を目指して

大切にしたい自分の想い

「自分が育ったこの街に、必要とされる薬剤師になりたい」
高校生の頃、そんな理想を抱いた桐生氏の薬剤師としてのキャリアは、新卒で入職した総合相模更生病院からスタートした。現在は入職して3年目、地域包括ケア病棟を担当する薬剤師として奮闘する日々だ。

薬剤師という仕事を意識したきっかけは、自ら薬局を開業し、薬剤師として働く母親の姿だった。「患者さんにいつも名前で呼ばれていて、母は薬剤師として患者さんから信頼されているんだな、と感じました。それが、すごくかっこいいなと憧れていました」

高校時代から母の薬局で手伝いを始め、目の前で働く母の姿をみて育った桐生氏にとって、将来は自分も薬剤師になって働いてみたいと考えるのは、ごく自然なことでもあった。二人の姉はそれぞれ、医師と看護師の道を選んだが、自分にとっては薬剤師という仕事が、一番気になる仕事だった。

「でも、母が薬剤師だったから、あまり考えずに薬剤師になったんでしょ、と思われるのは嫌でした(笑)。きっかけはもちろん母ですが、薬剤師として自分の道を歩んでいくうえで、自分なりのビジョンは持ちたいと思っていました」

薬学生時代には、実家の薬局とはタイプの違ういくつかの薬局で、アルバイトを経験した。そのひとつには、在宅に積極的に取り組む薬局を、また、長期の休みには、過疎化が進んでいる地域に滞在しながら、その地域の薬局で一生懸命アルバイトに取り組んだ。

「アルバイトをしながら、薬剤師の役割や、本当に自分がやりたいことって何だろう?といつも考えていました」

理想の働き方を思い描く

5年生になり実務実習が目の前に迫るころ、「どんな薬剤師になりたいか?」を改めて自問した。これまでのアルバイトの経験、実家が薬局を経営していること、などをひとつずつフラットに自分の選択肢として目の前に並べてみる。すると、「地域」というキーワードがひとつ、頭に浮かんだ。これからの医療は、より地域に密着し患者の近くで提供されるものになるだろう。それなら薬剤師は、より患者の側にいる存在として、地域の医療を支える職業として、もっと活躍できるのではないだろうか?

「まずは自分に一番関係がある、自分が育ったこの街のことを、この街に住んでいる患者さんのこと、どんな医療が提供されているのかをもっと知りたい、と思いました」

実務実習では、自分が育った地域の病院と薬局を選ぶことができた。薬局での実習は、大きな総合病院の近くのいわゆる門前薬局で、1日に700枚もの処方箋を扱う、非常に忙しい職場だった。病院実習には、450床程度の病院を選んだが、院内処方の多忙さなどから服薬指導もほとんど行うことができず、番号札との引き換えで薬を渡す、という作業ばかりをすることになってしまった。

想像とは少し違った実務実習だったけれど、リアリティのある現場を知ることができたのは収穫だった。自分にとって価値ある薬剤師の仕事とは、単に調剤をして、薬を患者さんにお渡しすることだけではないと思えた。

実習の終了と同時に始めた就職活動。インターネットで病院を検索しているうちに、総合相模更生病院のホームページを見つけて、見学を申し込んでみた。

「初めてウチの病院を見にきたとき、ちょっと驚いたことがあったんです。それは、病棟に薬剤部の席があったことです。薬剤師の席があるなら、そこに座って仕事をする病棟担当の薬剤師がいるんだろうなと。この病院なら、病棟業務を通じて、医師や患者と関わる機会が多いのではないか、と思いました」

「自分が今後ずっと関わっていきたい地域の病院が、どのように運営されているか、考え方やシステムを知っておきたいということ、また、一人の新人薬剤師として、成長できる可能性を感じる魅力的な職場だったので、入職を決めました」

病院薬剤師の目線で、薬局の薬剤師をフォローする

入職後の約3年間で、さまざまな業務を経験し、病院薬剤師の仕事の基本を身につけてきた。

「病棟にいながら、調剤も注射もできる。その分忙しくはありますが、幅広い仕事をやらせてもらえるということは、自分のキャリアにとっても大きなメリットです。中小病院の良いところの一つですね!」

桐生氏は、今年から地域包括ケア病棟に配属された。いまの仕事を通じて、ポリファーマシーの改善について、以前よりも関心が高まっている。

「入院中に患者さんの薬を整理した場合は、退院指導書に薬を減らした経緯や理由を含め、薬局側にも処方計画の意図が伝わりやすいように書くことを意識しています。また、お薬カレンダーがなければ服薬を管理できない患者さんがいる場合には、かかりつけの薬局にそれらの情報をなるべく丁寧に伝えるとか、とにかく、病院外にいる薬剤師さんとのコミュニケーションが円滑になるように心がけています」

桐生氏がこのような取り組みに積極的なのは、いつか自分も病院の外にでて、患者に向き合う立場になる、という意識からだ。常にあるのは、「地域医療への貢献」という視点。その目線を、病院の中にいながらも、外に向けることを忘れないのだ。

だから、地域の病院薬剤師である自分が中心となって、地域の薬局や薬剤師を巻き込んでいく。これは桐生氏にとって、ごく自然なやり方だ。例えば、最近企画した吸入薬に関する勉強会では、メーカー8社に声を掛け、地域の薬局薬剤師と一緒になってキットを試す、実践的に学べる場を設けてみた。また、処方箋に表示される検査値が、患者のために有効に活用されるには、薬局薬剤師が現場で服薬指導に使える検査値が必要だと考え、薬局薬剤師に対してのアンケート調査を実施したこともある。

家族全員のかかりつけ薬剤師を目指して

地域に貢献できる薬剤師のあり方について、現在の桐生氏は、どのようなイメージをもっているだろうか?

「やはり、在宅医療への取り組みは、重要なポイントのひとつだと考えています。これまで病院で経験を積ませてもらい、病棟業務や地域包括ケアについても、少しずつ理解ができてきました。今後は、薬局での在宅への取り組みについても、実践を通じて学んでいきたいと考えています。これからの薬剤師にとって、在宅の患者さんを担当することは、特別なことではなくなると思うので」

桐生氏は、自分の立てた目標から逆算して、いま自分に必要なことは何か?といつも考えてきた。そして今、地域に貢献できる薬剤師になる、という目標がより現実的になるにつれ、薬剤師として、今よりも在宅医療にコミットしていくであろう、未来の自分の姿も見えてきつつあるのだ。

「例えば、在宅医療の大きな課題の一つであるポリファーマシーを解決するには、医師と薬剤師のよりスムーズな連携が必要だと思います。でも、私の知る限り、在宅医療の現場において、医師と薬剤師がスムーズに連携しているケースは、まだそれほど多くはありません。だから、地域の病院のシステムや、病院薬剤師の考え方や仕事について知っている自分が、その役目を担える薬剤師になれたらと。そのために、在宅の現場で薬剤師に何が求められているのか、もっともっと現場を知りたいと思っています」

また桐生氏は、在宅医療の領域においては、個人薬局にこそ、大きな可能性があると感じているそうだ。

「チェーンの薬局には展開力がありますから、在宅医療を広く手がけるようになるまでにそれほど時間はかからないと思います。でも一方では、提供される医療が、ある種ルーティン化してしまうのでは、という危機感も感じるのです。それに対して個人薬局なら、“家族のかかりつけ薬局”として、小さな健康相談を含めて、家族ぐるみでケアしていくこともできると思うのです」

例えば、お姑さんとお嫁さんの仲がうまくいっていない、おじいちゃんに少し痴呆症状があるなど、家庭の事情はさまざまだ。一見、薬剤師の仕事とは直接関係がないように見えることでも、普段からのコミュニケーションで家庭の事情をしっかりと把握していれば、家族の誰がキーパーソンなのか?を見極め、キーパーソンへの働きかけを通じて、効果的なアドヒアランスの改善が望めるはずだ。これこそが、まさに桐生氏が理想とする“家族のかかりつけ薬局”を実現できる薬剤師なのだ。

「普段は家族の健康を管理し、薬を使うときには服薬指導をし、ベストなタイミングで在宅訪問をする。近所であれば、1世帯に30分程度の時間をかければ十分に患者さんをケアできると思うんです」

個人薬局でできることが増えれば、患者や家族はそれぞれのニーズを満たす薬局が選べるようになる。だから地域に密着した、本当の地域のための薬局を、自分の力で創り上げたい。そういう薬局が、地域にもっと増えたらいいと思う。そのためには、国が推進する取り組みをキャッチアップすること、在宅医療の経験を積むこと、また、若手の薬剤師が働きたくなるような場所づくりが重要だ。

「例えば、実習生が来てくれることは、現場にとっても良い刺激になります。どこまでできるかは分かりませんが、ひとつひとつ実現していきたいですね」

実家の薬局をベースに「自分が理想とするサービスが提供できる薬局を創りたい」という想いの実現に向けて、少しずつ経営の勉強も始めるつもりだ。

「将来的には、出産・子育てというライフイベントにもしっかりと向き合いながら、キャリアブランクができないような準備を、今からできるだけしておこうと思います。

私はこれからもずっと、薬剤師の仕事をしていきたいのです」

Profile

桐生 鈴(Rei Kiryu)

2014年4月、薬剤師として総合相模更生病院に入職。新卒で急性期病棟に配属され、’17年5月より地域ケア病棟に。病院薬剤師の経験を活かして、自分が理想とする地域の薬局づくりを目指す。

カテゴリの記事一覧

自分の街に、本当に貢献できる薬剤師を目指して

患者さん一人ひとりとのつながりを大切に、必要とされる理想の薬剤師を目指す

薬剤師として、いま医療の現場に足りない仕組みを積極的に構築していきたい

これからの地域医療を見据え、いま薬剤師がすべきことに、しっかりと取り組む

「薬剤師である前に一人の“支援者”として、患者さんと向き合っていく」

「終末期医療の本来のあり方は闘いではない。よりよく生きるためのサポートだ」

入社3年目で、在宅業務を一手に引き受ける女性薬剤師の奮闘

「在宅は簡単ではない。だからこそ、柔軟な若手薬剤師の力が必要」