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これからの病院薬剤師に求められること

戸田中央医科グループ薬剤部 部長 齋藤 俊夫さん

時代に伴って変わりゆく医療現場では、病院薬剤師の働き方も大きく変化しようとしています。戸田中央医科グループの薬剤部長として現場の変革に臨まれている齋藤さんに、チーム医療推進への取り組みや、これからの病院薬剤師に求められる資質を伺いました。

チーム医療の中では、他部署との調整能力が欠かせない

病院で働く薬剤師は、どのような資質や能力が高く評価されるとお考えですか?

病院では、さまざまな部署と協力して医療を提供することが多いため、他部署と連携するためのコミュニケーション能力や、業務の調整を円滑に進める能力が求められます。患者さんに最適な医療を提供するためには、薬剤部の要望だけでなく他部署の事情や要望も勘案して調整する場面が多く発生するためです。当グループでは、そうした能力のある薬剤師であれば、30代前半でも100床程度の小規模の病院で責任者を任されることもありえます。

 薬剤師は調剤だけではなく、より安全で質の高い薬物治療が実施されるように、処方の評価や副作用のチェックをしなければいけません。例えば看護部と連携して、患者の臨床状態を把握し、薬の効果を判断して医師に提案するスタイルは、チーム医療として定着しつつあります。又、医療安全の点から、内服薬をセットする場合に従来の看護師のみでのセットよりも薬剤師のチェックが入る事でより安全管理が出来る為、「配薬カートにどのようにセットするのか」「看護部と薬剤部がどのように業務分担するのか」「どのタイミングで確認し合うのか」などを調整する必要があり、その中で、これまで行わなかった業務を引き受けることもあります。以前は看護部が担当していた混注も、最近は感染防止や配合変化・投与時のルート管理の点からも「やはり薬剤師が担当するべき」という看護部からの要望に応じる形で、薬剤部が担当するケースが多くなりました。

他にも栄養部とともに食事と薬の組み合わせのパンフレットを作成して患者さんに渡すなど、他部署と協働しつつ薬剤師が担当する領域は広がっているように思われます。求められることが変わっていく中、病院薬剤師はその変化に対応していかなければならないのです。

他部署と連携したプロジェクトは、グループ全体としても推奨されているのでしょうか?

そうですね。他部署と連携し、現場から業務を改善していこうという雰囲気があります。例えば、診療報酬改定で看護必要度のA項目を薬剤師が評価できるようになった際にも、そのための環境を看護部に協力してもらいながら整えました。評価のためのデータ入力は手間がかかるのですが、看護部が作ってくれたフォーマットを薬剤部が実務に合わせて改良することで、入力しやすくしました。

現在、チーム医療を推進するために、どのような取り組みを進めていらっしゃいますか?

他職種とは、お互いの勉強会への協力を通じてチーム医療につなげています。薬剤師の勉強会で看護師に講師をして頂いたり、反対に薬剤師が他職種の勉強会の講師を行ったりといったことです。

一方で医師からは「薬剤師の役割として、薬剤師の判断で出来る業務をもっと増やしてほしい」との声がよく聞かれるようになりました。例えば「オペ室に入ってほしい」という要望を頂き対応するところからの関わりが増えています。厚生労働省が医師の業務負担軽減を目指す方針を出していますから、それを補うために薬剤師が病棟業務にも関わるようになっています。病院によっては、薬剤師が病棟業務をすることに抵抗のある医師もいるようですが、当グループの医師は薬剤師に協力してほしいというスタンスです。こうした関係を築くには、病院内における薬剤師の働きを評価する仕組みを用意するなど、医師から薬剤師が信頼されるようにする取り組みが必要です。

薬剤師の活躍の幅が広がる中、これからの世代への期待は大きい

病院で働く薬剤師をはじめとして、薬剤師に求められることが増えている点については、どのようにお考えでしょうか?

当グループの薬剤部では、薬剤師のやるべき領域は全てやろうという目標を掲げています。それに向けて、各病院でも個別の目標を掲げ、本部が実現をサポートする体制をとっています。各病院からは、「薬剤師外来を設置する」「新設される病院のオペ室には薬剤師が常駐できるようにする」などの目標が掲げられており、薬剤師の意識は着実に向上していると感じます。

特に、外来に薬剤師を置く意義は非常に大きいと思います。例えば、血液をサラサラにする薬を飲んでいる外来患者さんが内視鏡検査を予約しようとした場合、そこに薬剤師がいれば検査の予約前にそのことに気が付くこともできます。他にも、薬剤師が外来を持つことで、ちょっとした健康相談なども含めた患者さんへのサービスの質や効率を上げることも期待できます。

また、手術室に薬剤師を常駐させる取り組みも進んできています。手術では麻薬などの危険な薬をたくさん使いますが、そこに薬剤師が介入して手術前には必要な量をそろえ、手術後には適切な量が残っているかをチェックすれば、事故防止に役立ち、安全管理が出来る他、医師や看護師が管理の煩雑さから解放されます。手術室のある病院、特に大病院では非常に重要な役割を担うと言えます。薬剤師にとって、こうした業務に携わるのは麻薬管理の専門性を高めることにもつながります。

現場の薬剤師は、役割の変化にどのように向き合っていらっしゃるのでしょうか?

ベテラン薬剤師の中にはニーズの変化に伴い新天地への転職する方もおります。ただ、当グループでは役割の変化に対応できるよう、中間層の薬剤師に対する教育も行っています。基本的なことですが、「調剤した患者さんには服薬指導を行わなければならない」という法律について、服薬指導やその際の記録の必要性を改めて伝えるといったようなことです。

これから薬剤師になろうという世代は、病棟業務やチーム医療に興味を持っている人がほとんどです。そういった意味で世代間のギャップは感じますし、人材の質も変化してきていると感じます。これから薬剤師になる世代への期待は大きいですね。

新人薬剤師は、専門性を高める前にジェネラリストとして基礎固めを

戸田中央医科グループでは、どのような方に入職してほしいとお考えでしょうか?

よく学生さんからも同じ質問を受けますが、「遠慮をしない人」と「礼を尽くせる人」の2点を挙げています。チームで医療に取り組む機会が増えていく中、遠慮をして言うべきことを言わずにいたら、薬剤師としてベストを尽くせません。それに、患者さんにとってもマイナスになってしまいますから。

一方で、チームに対しても患者さんに対しても礼を尽くしてコミュニケーションしなければ、煙たがられてしまいます。薬剤師として、チーム医療の中で高いパフォーマンスを発揮するためには、この両方が必要だと思います。

入職後、新人薬剤師はどのようなスキルを磨くべきか教えてください。

患者さんにとって何がベストの治療法なのかを、判断できるようになることだと思います。一般的に「一番良い治療法」だと言われているものが、目の前の患者さんに合っているとは限りません。患者さんに適した治療法が分かるようになるためには、専門性を高める前に、まずはジェネラリストとしての基礎をきっちり学ぶことが大切です。

その後、スペシャリストとしての道を選ぶなら、例えば認定を取ることで、医師や看護師からの信頼度は上がります。特に、感染領域は全ての科の患者さんに関わるものなので、相談の割合は多いです。他には、がん領域や栄養領域も需要がありますね。

ジェネラリストとして活躍しながら自分の道を見つけたいと思うなら、中小規模の病院でスキルを磨くのがいいと思います。ジェネラリストというと、どうしても総合病院がいいのではと思われがちなのですが、総合病院の場合は配属された科の患者さんを中心とした対応になるため、幅広い患者さんへの対応は難しいというデメリットも存在します。その点、中小規模の病院なら循環器も消化器も呼吸器も全て内科という括りになるので、さまざまなことを新人の時から経験することが出来ます。

昔は総合病院に配属希望者が集中することもありましたが、最近の学生さんの希望は多様化しており、100床程度の病院に定員以上の希望者が集まることもあります。今後は、療養型やリハビリテーション病院にも、インターンシップ・見学への参加を通じて興味を持ってもらえることを期待しています。

学生が職場を選ぶ際の参考に、病院薬剤師と薬局薬剤師との違いについても教えてください。

病院薬剤師の特徴は、他の職種との連携が密に取れるところ、薬物治療を間近に体験し、臨床経験を積むことができる点だと思います。一方で、一人の患者さんと深く対話したり、長くお付き合いしたりということは、薬局に比べて難しい。特に急性期の病院などは、患者さんの入院している日数も少ないですしね。その代わり、薬局よりも薬の準備にはしっかり時間をかけられますし、患者さんが入院している場合はすぐに様子を見に行けます。

ただし、療養型や神経内科の専門病院などであれば、一人の患者さんと長くお付き合いすることもできます。職場選びは、患者さんとどのような関わり方をしたいかによっても変わってきますので、よく考えてもらえればと思います。

病院薬剤師を志望する学生に、今のうちから興味を持ってもらいたいことはありますか?

ポリファーマシーの問題には関心を持ってもらいたいですね。というのも、薬を減らすという治療ができるのは基本的には薬剤師だけだと思います。看護師や医師は、患者が訴える“痛み”に対して痛み止めを出すなど、薬を足していく場合がほとんどです。その点、薬剤師であれば薬の使用状況を見た上で、「相互作用で痛みが出ている可能性があるから、こっちの薬をやめてみよう」という判断ができます。現在はポリファーマシーに対する減薬にも診療報酬の点数が付きますし、不要な薬が減ることで患者さんにとっても非常に有益であるため積極的に取り組んでほしいと思います。

病院では、急性期の患者さんにはどうしても薬の量が増えていくことが多いのですが、リハビリテーション病院などであれば減薬は可能です。病院内でもポリファーマシーの問題は感じますし、それに対する薬剤師の活躍の場はどんどん増えていくと感じています。

カテゴリの記事一覧

これからの病院薬剤師に求められること

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