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スポーツファーマシストとしてビジネスを展開。将来は新興国への展開も!

薬剤師を志し、薬学部に通って無事に資格を取り、卒業する。さて、目指すのは薬局?それとも製薬メーカーの開発やMR職?「薬剤師」という武器を生かせる場所は、本当にその場所だけなのでしょうか。思いがけないところにも、薬剤師が活躍できる世界があるのではないでしょうか。薬剤師の資格を持つ先輩方が選んだ、それぞれの「もうひとつの道」をご紹介します。今回は、自らの手でビジネスを「創っていく」道を選んだ、株式会社アトラクの遠藤敦さんにお話をうかがってきました。

遠藤敦さんプロフィール
株式会社アトラク 代表取締役社長 遠藤敦さん (薬剤師/スポーツファーマシスト)
1978年生、東京薬科大学薬学部卒。薬剤師として大学病院、調剤薬局に勤務した後、2011年にスポーツファーマシストの認定資格を取得。同年、株式会社アトラクを設立し、アンチ・ドーピングに関わるさまざまな事業を展開している。

10年後、薬剤師のスタイルは激変するかもしれない?

「薬の調剤が薬剤師の主な仕事だった時代は、もう確実に終わっています。10年後、今と同じような薬剤師の仕事が残っているとは限らないですよ」。

そう話してくれたのは、「挑戦を続ける薬剤師集団」というスローガンを掲げる株式会社アトラクの代表、遠藤敦さん。薬剤師でありながら自ら起業し、さまざまなビジネスを展開しています。

その事業の中核となっているのが、2009年からはじまった「スポーツファーマシスト」という薬剤師の認定資格。これは公式財団法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が日本薬剤師会の協力により認定しているもので、指導や教育を通じてスポーツにおけるドーピングを防止することを目的とした資格です。現状として、スポーツファーマシストに認定されたとしても、すぐに何か特別な仕事につながるというわけではありません。しかし遠藤さんのポリシーは「自分たちで仕事をどんどん創っていく」こと。そうした考えに至った背景には、薬剤師を取り巻く現状に対する危機感があったようです。

「医師の処方通りに調剤し、患者さんに渡すだけというスタイル――いわゆる、これまでの“薬剤師の仕事”はもう成り立たなくなっています。薬の飲み合わせや相互作用については、今やコンピューターで正確なデータをはじき出すことができます。さらに今後マイナンバー制※が導入され、それが個人の医療情報と紐づけされるようになれば、お薬手帳などなくてもオンラインデータで個人の薬歴が管理できるようになるでしょう」。

※マイナンバー制…住民票を有する人に個別の番号を付与する制度。行政において、社会保障や税金の管理のために使用される。平成28年1月から導入予定。

進化したIT技術によって、医薬品を取り巻く状況も大きく変わる。遠藤さんはそれを危惧しているといいます。「中には、たった10年でそれほど大きく薬剤師の仕事内容が変わるわけがないという人もいます。しかし例えば、iPhoneは発売からわずか6年の間に携帯電話の在り方を完全に変えてしまいましたよね。IT化の波は、10年あればあらゆる既成概念を変えてしまう可能性があります。薬剤師の仕事も決して例外ではないと思います」

もしそれが現実のものとなったとき、薬剤師はどこに存在意義を見出せばよいのか?そこで遠藤さんが導き出した答えが「他業種との連携によって新たな価値を生むこと」だったのです。現在、株式会社アトラクが手掛ける事業は主に3つあります。

1つ目は、DSAP(Drug-cotrolled Safety Authorized Product)認証事業。これはスポーツ選手の「うっかりドーピング」を防ぐため、サプリメントメーカーなどと提携し、製品を検査・分析してその安全性を保証するというものです。2つ目はスポーツチームのコンサルティング。スポーツファーマシストとしてプロのフットサルチームと契約し、ドクターやトレーナー、栄養士とともに、選手をサポートするメディカルチームに名を連ねています。3つ目は、教育事業。日本ではまだまだ、アンチ・ドーピングに対する取り組みへの理解が深いとはいえません。そこで遠藤さんは、正しい知識を持ってもらうための教育・啓発活動をさまざまな場所で行っています。そしてさらに、すべての事業拠点として、東京・神楽坂に薬局の実店舗(薬局ラクトファーマシー)を構えています。これらの事業の多くは、医薬品業界外の企業と連携することで生み出されたものだそうです。

しかし、今でこそ精力的に独自のビジネスを展開している遠藤さんも、学生時代はごく普通の薬学生だったのだといいます。ご家族の闘病、その介護経験から医療の世界を志し、薬学部へ。大学卒業後に就職したのは、都内にある国立の大学病院でした。「正直なところ、当時はキャリアプランも将来の目標も何もありませんでした。大学病院の仕事はそれなりに充実していましたが、今思えば、自分は型どおりの仕事しかしない、つまらない薬剤師だったと思います」

受け身の薬剤師から起業家への転身

しかしあるとき、その仕事観を一変させる出会いがありました。世界的なベストセラーにもなった一冊のビジネス書。「自分の人生は、自分でコントロールしていく」――その本に書かれていたメッセージが、遠藤さんを強く揺さぶったのです。昔から、思い立ったら即行動!という性格の遠藤さん。自分でコントロールできる仕事、イコール独立起業。将来目指すべき新たなビジョンを得て、すぐに病院を退職してしまったそうです。しかし当然、大変だったのはそこからでした。

「独立起業といっても、当初は自分で薬局を立ち上げるつもりでいました。そこでまずは調剤薬局に転職し、独立のチャンスをうかがっていたのです。でも、薬局を立ち上げるのもそう簡単な話ではなくて。そのうえ、その頃の自分には経営者として足りないものもたくさんありました。ですからとにかくそれを埋めるために、できることを片っ端からやっていきました」

その中には薬局の仕事はもちろん、健康食品の営業やデイトレーダーなど、薬剤師とは一見関係のなさそうな仕事も多々ありました。しかし遠藤さんにとっては、それら一つひとつが必要な遠回りだったようです。「この6年間の寄り道は、起業に必要なことを一つずつ拾い集めていたような期間でした」と、遠藤さん。営業力、コミュニケーション力、そして経営やお金の流れに関すること。さまざまな仕事を通じて自分に足りないスキルを磨き続け、長い長い模索の期間を経て2009年に出会ったのが、新設されたばかりの「スポーツファーマシスト」の認定資格でした。

資格が創設されたとはいえ、スポーツファーマシストとしての仕事が豊富にあるわけでも、そこで薬剤師が活躍する土壌ができていたわけでもありません。しかし遠藤さんは「アンチ・ドーピング」という分野にビジネスチャンスを見出しました。2011年11月、ついに株式会社アトラクを設立。その後、新しい事業を次々に立ち上げています。

遠藤さんいわく、アトラクは「巻き込み型」の会社だそう。提携先のパートナー企業やアプリ開発を担う協力会社など、多業種とのつながりによって、新たなビジネスが形作られていきました。「薬剤師、そしてスポーツファーマシストという資格を他の産業と結び付けることで、さまざまなビジネスの可能性がぐっと広がりました。実際、当社のサービスの多くは、スポーツチームや食品メーカーなど、医薬品業界外のニーズから生まれています」

国境も、「医療」という枠組みも超えていく

最後にアトラクの将来的なビジョンを伺うと、明快な答えが返ってきました。 「スポーツファーマシストとして、世界を目指します!」

遠藤さんのいう「世界」とは、主に新興国のこと。アフリカや南米などの新興国では、医療環境はもちろん、衛生環境すら十分に整っていない国がたくさんあります。そしてさらに、そうした新興国はスポーツに力を入れている国が多いのだといいます。「新興国でこそ、スポーツファーマシストとしてのポジションが生きてくるはずです。医療に関しては赤十字や国境なき医師団などの活動が有名ですが、私たち薬剤師にできることも現地にはまだまだあると思います」と、遠藤さん。日本国内では近い将来、人口の減少、そして現場のIT化によって、増えすぎた薬剤師の受け皿が足りなくなることが予測されています。しかし、舞台を世界に広げてみると、日本の薬剤師が役立てる場所、求められる場所はまだまだあると考えているそうです。

「薬剤師はどうしても、医療の世界の中だけ、さらに自分1人ができる範囲でものごとを考えがちです。でも、薬剤師の役割を生かせる場所はきっと他にもあるはず。医療や医薬品業界以外の産業と連携をしたときに自分がどんな価値を出せるか? それをコンセプトに、これからも自分たちができることを追及していきたいですね」

遠藤さんが今、見据えているのは、東京でオリンピックが開催される、2020年よりさらに先の未来。その頃には、国境も業界の枠をも超えた、薬剤師が活躍できるビジネス領域が新たに誕生しているかもしれません。

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