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高い専門性を活かして働くには? 「がん専門」薬剤師の仕事

国立がん研究センター東病院 
薬剤部 調剤主任
松井礼子さん
がん専門薬剤師/がん指導薬剤師/外来がん治療認定薬剤師

特定の専門分野をもった薬剤師の方は、日々どんな仕事をしているのでしょうか。今回は国立がん研究センターで「がん専門」の薬剤師として働く、松井礼子さんにお話をうかがってきました。

がん専門の薬剤師として病棟や外来での業務を担当

まずはじめに、国立がん研究センター東病院の中で、薬剤師のみなさんがどのような役割を果たしているのか教えてください。

当センターには、病棟と外来、2つの業務があります。割合としては、それぞれ半々くらいでしょうか。

今は外来で抗がん剤治療を行なうのが主流となっていて、多くの患者さんは通院で治療を受けています。そのため外来にも、多くの薬剤師が配置されているんです。

薬剤部にはどのくらいの薬剤師さんがいますか?

現在はおよそ50名弱くらいですね。その半数近くはレジデント(研修中の薬剤師)です。

松井さんはどの仕事を担当しているのですか?

以前は長く病棟で勤務していましたが、現在は外来を担当しています。毎日外来に顔を出して、来院される患者さんに対して服薬指導をしたり、副作用の確認をしたりしています。

ただ当センターの場合、ただ「外来担当」というだけではなく、複数の診療科を兼任していることが多いんです。私も、所属しているのは外来の経口抗がん剤の部門ですが、他にも病棟の方の乳腺・腫瘍内科と、血液腫瘍科にも関わっています。

薬剤師さん1人で、何人くらいの患者さんを看ているのでしょうか。

配置部署によって大きく異なりますが、私の場合は外来で1日に14、5人の患者さんと接することが多いです。それに加えて、入院患者さんを7、8人看ていたこともありましたね。

いくつもの部門を兼務されていて、日々お忙しそうですね。

そうですね。通常の業務以外にも、自己研鑽や新しい知識の勉強に時間を使ったり、カンファレンスなどに参加することも多いです。

続々と出る新たな抗がん剤 常に最新の情報をキャッチアップ

がん専門の薬剤師として、実際の現場ではどのような形で働いているのですか?

基本的には医師と看護師、そして私たち薬剤師の3者がチームになります。そして1人ひとりの患者さんに対し、使用する抗がん剤と想定される副作用などを踏まえたうえで、それらに対処するための吐き気止めや輸液は何を選択するか、それを投与する流れはどうするかなど、細かいことを相談して決めています。そのもととなる投与基準や投与ルートは、基本的に薬剤師が考えることになります。

がん治療は、新しい研究がどんどん進んでいる分野ですよね。新たに開発された薬剤の知識や情報などは、どのように得ているのでしょうか。

抗がん剤の薬は次々に新たなものが出続けていて、従来の副作用管理とはまったく異なることも多いんです。だからとにかく、日々アンテナをはって様々な情報を集めています。

例えばその薬剤が承認されたときの報告書を読み解いてみたり、メーカーで行なわれた治験の方法を参考にしたり、海外のサイトを参照したり。ときには、経験の豊富なドクターに意見をもらうこともあります。

そうした専門的な仕事ができるようになるには、大体どのくらいの年数がかかるものなのでしょうか?

年数よりも、どれだけ現場に深く携われたかという、経験の“濃度”が大切だと思います。そういう意味では、当センターはがん専門ですので、がん治療の様々な現場に触れる機会は多く、経験値は高めやすいかもしれませんね。

チームの方に認めてもらえる薬剤師になるためには、やはりそうした経験値が重要なのですね。

もちろん経験も必要ですが、決してそれだけではありません。相手が何を知りたいのか、何をしてほしいのか、それを的確にくみ取って行動すること。そうして信頼関係をきちんと築いていくことも大切だと思います。

通院で治療するがん患者が増え 保険調剤薬局との連携も必要に

現在、通院でのがん治療が主流になっているというお話をうかがいました。病院の薬剤部と、保険調剤薬局が連携するにあたり、どんなことが課題だと感じていますか?

今まで「病院の薬剤師」としてやってきた私たちと、「薬局の薬剤師」として活動している人たち、それぞれが置かれてきた環境やバックグラウンドがまったく違うんですよね。だから連携するには、まだまだハードルがあると感じています。

特に経口抗がん剤は、最近になって急激に増えてきたもの。だから一般的な薬局では、まだまだ情報がキャッチアップできていないケースが多いと思います。

これから、より連携を深めて患者さんの治療を行っていくためにはどんなことが必要だとお考えですか?

まずは自分たちが患者さんのためにどうしたいのか、何のために“薬薬連携”をやりたいのか、その想いを双方で共有することですね。

そのうえで、私たち病院の薬剤師が患者さんに薬を投与するプロセスと、薬局の薬剤師さんがこれまでやってきたプロセスを融合していかなければいけないと思っています。

「こういうプロセスを踏んで、こうして安全性を確保して投与する」という具体的な共通認識ができて、同じ目線で患者さんのことを考えられるようになれば、薬局薬剤師さんも「それならもっとこういう情報がほしい」となるでしょうし、私たち病院薬剤師も「こういう最新の情報があるよ」と出せるようになると思います。

がん患者さんへの対応で、薬局の薬剤師に求めるのはどんなことですか?

経口抗がん剤はふつうの風邪薬などとは違い、飲み忘れることのリスクや、副作用なども大きくなります。さらに治療管理がものすごく複雑な薬剤もあるんですよね。何日飲んで何日休むとか、複数の薬を併用する場合、量が変わってきたりとか。

そもそも、患者さん本人がすべて1人で管理するのは無理なんです。だからこそ、薬局の薬剤師さんには服薬指導、副作用に関するヒアリングなどに気を配ってほしいですね。

今はこれだけがん患者さんが増えてきているので、以前に比べれば、薬局の薬剤師さんの認識も変わってきています。さらに「かかりつけ薬剤師」が増えることによって、病院との連携は自ずと深まっていくのではないでしょうか。

専門性を身につけたいなら「レジデント」という選択肢もある

がん治療分野のように、専門性をもった薬剤師になるためにはどのようなステップを踏むのが理想的なのでしょうか。

まず、がん治療を学びたいならレジデントになるのも一つの手段だと思います。当センターにも、がん専門のレジデント制度があります。実際の現場で様々なことを学び、濃厚な経験ができるというのは大きなチャンスです。

レジデントとして3年くらい経験を積めば、施設同士のつながりや、自分が興味のある分野、どこでどんな経験ができるのかがわかってくるんですよね。

今、レジデントでがんばっている若手薬剤師のみなさんはどんな方が多いのですか?

とてもモチベーションの高い人が多いです。高いレベルに自分をもっていこうとしていて、そのために努力を惜しまずやっていこうとする姿勢を感じます。

最後に、これから薬剤師を目指す学生にひとことメッセージをお願いします。

今、がん治療の領域に限らず、薬剤師に求められる職能がとても広がってきていると思います。私たちも、がん医療に精通する後進を育成していきたいという強い想いを抱いています。

がん治療なら、抗がん剤の適正使用に貢献するとか、患者さんの副作用を軽減する支持療法に取り組むとか、いろいろな役割が考えられます。薬剤の専門家として、それらをきちんと患者さんに届けていかなければなりません。いわゆる“臨床薬剤師”という役割ですね。

そうした専門性をしっかりと身につけたうえで、大勢の医療関係者と連携しながら、薬剤師としてのスキルを存分に発揮してほしいと思います。

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