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これからの薬剤師の新しい役割は、患者さんの「人生の最期」と向き合うこと。

「かかりつけ薬局」に向かう流れは、40年前のスタイルへの回帰

御社は創業以来、長年にわたって、地域密着の在宅医療に取り組まれていますよね。数十年スパンで見ると、薬局や薬剤師を取り巻く環境はどのように変化してきたのか教えてください。

私は薬局の息子なので、かれこれ60年以上、ずっと薬局の変化を見てきました。私が学生だった頃、今から40年くらい前の日本には「相談薬局」という言葉があってね。それが、今でいう「かかりつけ薬局」の原点なんです。

当時は病院と医師の数が圧倒的に足らなくて、セルフメディケーションが基本でした。だからみんな、何かあると町の薬屋に相談にきていたんです。それと同じようなスタイルに戻そうとしているのが、今の日本の医療政策ですね。

でも40年前と現在では、前提となる社会の形が違いますよね。

そう、40年前は高齢者よりも若者の方が多かった。そもそも「認知症」なんて言葉すらなかったからね。日本経済もどんどん成長していたけれど、90年代にバブルがポンとはじけてから、一気に社会が変化しました。特にこの10年の間は、急激に様々な問題が噴出しはじめています。

人口が多い「団塊の世代」が、今一気に高齢化していて、そのピークを迎えるのがおそらく2025年。それをどう支えていくかというのが、直近の大きな課題です。そうした変化に対応するため、薬局や薬剤師に求められることも一気に変わりつつあるんです。

増え続ける医療費に対して、日本政府が取り組む対策とは?

日本としては、増え続ける医療費に対してどんな対策を取ろうとしているのでしょうか。

結局のところ、医療や介護は“人の手”による仕事だから、現実問題として担い手がいなければどうにもならない。だから今、政府は海外からの働き手を受け入れるための法整備を進めています。

実際ヨーロッパでは、国民の高齢化を前に移民を受け入れ、それで乗り切ろうとしたんですよね。フランスやドイツでは今、小学校に通う児童のうち、一定の割合の子たちが外国生まれなのだそうです。ただ、日本は移民に対する抵抗感が大きいのが最大のネックになっていて。だから今のところは限られた国内の人的リソースでなんとかしようと、多職種協働などが推進されるようになりました。

これまでも、高齢者の増加、医療費の高騰に対する国の政策はいろいろ行われてきましたよね。

医薬分業を進め、大きな病院の門前に薬局が立ち並ぶようにしたのもその一つです。外来患者に医師が処方箋を出し、それを薬と交換するというスタイルですね。しかし想像以上に大病院志向が強い人が多かったために、結果としては医療費が下がるどころか、かえって上がってしまったんです。

だから今、国では診療報酬改定によって、それを一生懸命元に戻そうとしています。病気になったときは大病院ではなく、地域のクリニックに行ってもらおうと。国家財政は本当にひっ迫していて、その影響がここ2回の改定内容によく表れていると思います。さらに今後、特に平成30年は介護と医療の同時改訂が予定されていますから、医療機関にとってはさらに厳しい状況になるでしょうね。

さまざまな政策を受けて、現場ではどのような反応があるのでしょうか?

今おもしろいのは、国の政策がどうこうというのは関係なく、地域の中で勝手に多職種協働がはじまっていること。医療や介護はとにかく人間相手の“手仕事”で、複数の専門職が関わる共同作業なんですよね。だからこそ、その地域の医療・介護関係者が集まる飲み会などを起点にして、協力体制が自然に作られてはじめているんです。

一つの「場」が生まれているということですか?

そうです。はたから見れば、ただ定期的に飲み会をやっているようにしか見えないかもしれない(笑) でもそうしたコミュニティに、最近は行政も入りはじめています。やはり相手の顔が見えないと、多職種共同は上手くいかないですから。その「場」に行けば、地域の様子が大体わかるようになっていますよ。特にここ1、2年で、そうした動きが活発になってきたと感じます。

在宅医療に取り組む薬剤師が新たに担うべき役割

様々な流れの中で、薬局や薬剤師が担う役割も変わっていますよね。これからの薬剤師には、どのような役割が求められるとお考えでしょうか?

大きな役割の一つは、「看取り」です。今でこそ、まだ病院で亡くなる方の方が多いですが、これからは違う。施設や自宅で最期を迎える患者さんにどう寄り添うか。それが、薬剤師にとって一つのテーマになるでしょう。

在宅医療の一環として、「看取り」が増えてくるということですね。

ただ、これまで大きな病院で行われていたような「看取り」までの医療行為、延命措置などを、地域のクリニックがそのまま行うのは不可能なんですよね。それが在宅なら、なおさらそう。

そもそもクリニックの医師が麻薬などの処方箋を書くのも難しいし、規模が小さければ専用の機器もない。さらに個々の薬局が、終末期、ほんのわずかな期間に使用する高額な薬剤を、常にそろえていたらとても経営が成り立たないという問題もあります。

確かにそうですよね。

もちろん、病気を治療するとか、健康を増進するとか、人が健康に生きるためのサポートをするのが、私たち薬剤師の役割であることは変わりません。でもこれから、特に2025年頃までの10年間は、薬局や薬剤師も「患者さんにいかに安らかに最期を迎えてもらうか」ということを考えていかなければならないでしょう。今の薬学生のみなさんが社会に出る、2~3年後にはもっと状況が変わっていると思いますよ。

急速に時代が変わっても「薬剤師」を全うし続ける

在宅で終末期医療に関わるのは、薬局にとっては非常にハードルの高いことですよね。池田社長が、あえてそこに注力しているのはなぜですか?

確かに「看取り」などは、薬局からすれば大変だし儲からない分野です。でもこれまで私たちが取り組んできたのは、そういうところなんです。末期のがん患者さんをはじめとする、終末期の在宅医療、そして看取りまで。

たとえ儲からなかったとしても、困っている患者さんはたくさんいるわけですし、私たちのグループは、幹部もみんな薬剤師だからね。薬剤師の会社として、社会に役に立つことをしなければ意味がない。それが自分たちの“仕事”だと思っているんです。

それに薬局というものは、他の事業をしたり、場所代なんかで派手な経費を使わなければ、薬局事業の収入で十分やっていけるんですよ。実際、私たちはずっとそうしてシンプルな経営を続けてきています。

まあ、たまに大きな病院の門前で、きっかり9時から17時までの薬局をいいなと思うこともありますけど(笑)、でも政府のとある方が「大病院の門前の景色を変える」と言っていたように、それはもう変わらなければならないところなんです。今の状態ではこの先の医療を支えきれないですから。

10年、15年後には、状況はもっと変わっているということですよね。

変わっているでしょうね。いくら国家資格を取ったとしても、処方箋を受け取り、その通りに調剤して薬を渡すだけ、という薬剤師は働きにくくなっていくと思います。求められるスキルも、どんどん変わっていますからね。

実際、私は40年以上この仕事をしていますが、20年前はもちろん、10年前の薬局、薬剤師がやっていたことも今とは全然違っています。

それでも、私たちが「薬剤師」という専門職であることには変わりないですよね。だからどんな時代がきたとしても、その役割を、これからも全うしていきたいと考えています。

カテゴリの記事一覧

これからの病院薬剤師に求められること

新卒で在宅医療の世界へ飛び込み、地域の医療をけん引する薬局薬剤師

地域に密着したクリニックで、チーム医療の一端を担う薬剤師

薬局のサポートにITを活用。薬剤師の視点を多様なビジネスに活かす。

これからの薬剤師の新しい役割は、患者さんの「人生の最期」と向き合うこと。

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スポーツファーマシストとしてビジネスを展開。将来は新興国への展開も!

調剤室から一般病棟や外来、専門領域まで「病院薬剤師」にこれから求められる役割とは?