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地域に密着したクリニックで、チーム医療の一端を担う薬剤師

「困ったことがあれば駆けつける」かかりつけ診療のクリニック

武蔵野総合クリニックさんは、すでにこの地域で長く在宅医療に取り組まれているんですよね。

看護師・香取さん(以下、香取):そうですね。在宅医療に特化しているわけではなく、“コンビニエンスクリニック”として、「24時間365日のかかりつけ診療」を行っています。在宅部門はあくまで、その中の一つです。

1999年の設立当初は、地域社会で在宅医療というものがそこまで浸透していませんでした。それでも私たちは当時から、困ったことがあればいつでも駆けつけます、というスタンスで患者さんと向き合っていましたね。

どんどん規模も拡大されていて、現在診ている在宅の患者さんはどのくらいいらっしゃるのですか?

香取:およそ300人くらいでしょうか。基本は月2回の診療なので、平均すると1日12〜14軒ほどの個人宅に訪問していることになります。

また私たちのグループで介護施設を持っていることもあり、訪問する施設の数も続々と増えつつあります。数名から数十名まで規模はさまざまですが、現在は10か所近くとお付き合いしています。

薬局や大きな病院ではない、地域のクリニックで働く薬剤師の働き方

そうした状況の中で、薬剤師はどのような役割を担っているのでしょうか。

薬剤師・三澤さん(以下、三澤):当院の医師が出した処方箋にもとづいて在宅の患者さんにお届けするのは調剤薬局にお任せしています。私は、それぞれの患者さんの情報を把握しながら、武蔵野総合クリニックの薬剤師として、薬局で調剤された薬が適正に服用されているかなどのチェックを主に行っています。

具体的にはどのような仕事になるのでしょうか。

三澤:あくまで患者さんの同意が前提になりますが、週に1回ほど訪問し、残薬がないか、薬が適正に服用されているかなど、細かく状況を確認しています。その上で、当院からの処方箋の発行を調整しているんです。

例えばきちんと薬を飲んでいるようにみえる患者さんでも、認知症が進んでいて2週間分の薬を1日で飲んでしまっただけ、などというケースも起こります。そうした個別の状況を見て、医師や薬局に注意を促しています。

多様なケースがあるのですね。

三澤:いろいろな患者さんがいらっしゃいますからね。もちろん薬の効果や副作用など、薬剤師として基本的なことは必ず確認します。しかしそれ以上に、患者さんの生活状況を見極めていかなければならないんです。

特に高齢の方の場合、1日のリズムが乱れていつ薬を飲めばいいかわからなくなってしまったり、飲みにくい薬をわざと放置してしまったり、苦いからといってジュースで薬を飲んでいたり。そうした状況を医師とも共有して、同じ成分で飲みやすい形状の薬に変えるなど、一つひとつ対処しています。

退院から在宅医療への切り替えもスムーズに対応できるのが強み

三澤さんのような役割を担う薬剤師がいるクリニックは、まだそんなに一般的ではない気がします。

香取:もともと当院自体が、多職種からなる医療チームを特徴の一つにしていました。チームの中にそれぞれ専門の職能をもった人がいると、やはり相談しやすいので日々の改善につなげやすいですね。薬のことは、すべて三澤さんにお任せしています。

今、三澤さんお一人でどのくらいの患者さんを担当しているのですか?

三澤:薬剤師が介入しなくても大丈夫な患者さんもいますので、300名全員をくまなく見ているわけではありません。特に医師からの指示や希望があって、訪問診療に同意いただけた患者さんのお宅を中心に回っています。

また当院の場合は、15床ある病棟が在宅医療をバックアップできるようになっているんです。例えば服薬管理が必要な入院患者さんがいれば、看護師から連絡を受けて退院前から関わりはじめ、退院後もそのまま私が在宅で服薬管理を続けることもあります。

退院後、在宅に切り替わったときに患者さんの情報が薬局へと引き継がれていないと、突然薬が変わって、ご本人やそのご家族が不安に思われますからね。

香取:薬剤師が院内にいることで、その都度コンタクトを取りながら、退院から在宅医療へスムーズに切り替えることができていると思います。

クリニック内での連携も取りやすいのですね。

三澤:そうですね。逆に、在宅の患者さんが体調を崩して入院することもあります。その場合は、普段飲んでいた薬の飲み方などを、私から看護師へと伝えています。

調剤薬局にいる薬剤師とは、どのような連携をしていますか?

三澤:薬局の薬剤師は患者さんのカルテを直接見ることができませんから、私が間に入り、薬局の薬剤師からの質問や疑問に答えるようにしていますね。

在宅の現場に触れて気づいた、薬剤師の仕事を大きく広げる可能性

三澤さんは武蔵野総合クリニックで働きはじめたとき、どんな印象を持ちましたか?

三澤:とにかく、薬剤師の仕事はこんなに幅が広いのか、と実感したのを覚えています。もちろん、医師の処方箋に従って薬を調剤するという基本的な仕事が大事なのは言うまでもないですが、それを越えた仕事もこんなにあるのか!と感じました。

それはやはり、在宅の現場に出て直接患者さんと接したからこそわかったことですか?

三澤:そうですね。いくら資格を持っていても、現場を知らずに処方箋だけを見て仕事をしていると、なかなか適切な対応ができなくなると思います。患者さんの病態、生活環境を知ることで薬剤師としてできることが大きく変わってきます。

こちらのクリニックは、地域の基幹病院などとはまた違った役割を果たしていますよね。

香取:今、急性期の患者さんは、早い段階で急性期病院などから転院しなければならない状況にあります。つまり、以前は大きな病院が対応していた患者さんが、当院のような地域のクリニックや中小規模の病院に任される流れになってきています。だからこそ三澤のように、院内でも在宅の現場でも継続して活躍できる薬剤師が求められているんです。

さらに薬剤師だけではなく、さまざまな専門職のスペシャリスト集団として、多職種連携が必要とされているのは間違いないと思いますね。

規模としては、さらに拡大していく必要性を感じていますか?

香取:在宅のニーズだけを見れば、もう少しバックアップ機能を強化する必要があるかもしれません。一方では、近くに地域の基幹病院があり、病状によってそれぞれの病院の役割を果たす、ということもあります。急性期病院や基幹病院の役割が十分に発揮できるように、私たちは地域での役割を明確にする必要があります。そういう意味では、今の規模がちょうどいいのかもしれないと思っています。

地域のクリニックの中で、チーム医療の現場を支える

今後は薬剤師が、こうした地域のクリニックで働くという選択肢も増えていくのでしょうか。

三澤:そうですね。ここでは本当に幅広い仕事を経験することができているので、薬剤師としても、とても学ぶことが多いです。ただ、私のような働き方は前例があまりないと思うので、「クリニックで調剤以外にどのような活躍ができるの?」と疑問をもつ薬剤師の方は多いかもしれません。実際には、医師、看護師、理学療法士など、さまざまな職種の人たちとチームで仕事ができるので、いろいろなことを教えていただきながら成長できる環境だと思います。

香取:私自身も看護師でありながらクリニックの管理者をしていたり、多職種からなる医療チームのトップが医師ではなかったり、非常にチャレンジングな環境ではありますね。

多職種のチームで仕事をする意義を、改めて教えていただけますでしょうか。

三澤:よく、患者さんには医師に言いにくいことがたくさんあると言われますよね。だからといって、なんでも薬剤師に言えるかというと、そういうわけでもなくて。でもさらに、看護師、理学療法士、ケアマネージャーさんやヘルパーさんなど、多くの人が関わっていれば、患者さんも自分の意志を伝えやすくなると思っています。実際、当院ではスタッフが少しでも患者さんの訴えを耳に入れると、その内容をカルテに記載することで、情報共有でき、患者さんのために反映されるようにチームで働きかけています。

香取:医師や看護師はもちろん、他の職種の人たちにとっても、薬の窓口になってくれるプロとしての薬剤師が一人でもいてくれると本当に助かります。これからも薬のプロとして大いに活躍してほしいですね。

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