タレントゲート
新規会員登録
タレントゲート会員登録
閉じる まずはLINEでタレントゲートの公式アカウントを友達に登録! LINEの友たち登録

まずはLINEでタレントゲートの公式アカウントを友だちに登録!

LINEで友達登録が完了したらマイページを発行しよう!
LINEで友達登録が完了するとマイページ発行のご案内が届きます。

マイページでは、個別相談(カウンセリング)や企業とコラボレートして実施するいろいろな講座などに予約したり、会員だけが読める特別な記事を読むことができます。

閉じる
マイページにログイン
地域医療を支える医師にインタビュー

タレントゲートの大学生インターンが、在宅医療に積極的に取り組んでいる地域の病院・クリニックを訪問。薬学生がなかなか直接知ることができない医師の想いや、これからの薬剤師に期待することをうかがってきました。

医療機関としての責務を果たし、患者さんの人生に寄り添っていくために

新宿ヒロクリニック/東京都新宿区
英 裕雄先生
http://www.hiro-clinic.com/

在宅医療は人生と向き合う「模索的な医療」

― 英先生が在宅医療に取り組もうとしたきっかけは何でしたか?

正直なところ、はじめた当初はそこまで明確な意図があったわけではありませんでした。ただ、従来の病院のあり方に課題を感じていたのは事実ですね。そのため、地域医療の新しいソリューションには少なからず興味をもっていました。

― 具体的には、どんな課題を感じていたのでしょうか。

病院を訪れ、治療で状態が改善しても、生活不安を抱えたまま暮らしていかなければいけない方は大勢います。何度も入退院を繰り返すしかない患者さんも多く見てきました。そんな人たちを支える必要性を感じていたんです。

― 近年は特に、在宅医療の必要性が国レベルで問われるようになりましたね。

必要性というより、在宅へのアプローチはもう不可避な状況ですよね。

― 確かにおっしゃる通りです。英先生はすでに20年にわたって在宅医療に取り組まれているそうですが、この「在宅医療」をどういうものだと捉えていますか?

ひとことでいうと、「模索的な医療」だと考えています。在宅医療は「かかりつけ医療」であり、目標設定もしづらいですし、例えば「糖尿病患者ならこう治療すればいい」というような、定型化された対応で解決できるものでもありません。

結局、今必要とされているのは、一人ひとりの患者さんの人生と真っ向から向き合って、その人がさまざまな問題を抱えながら生きていくためのサポートをすること。それは結局、模索の連続になるんです。生きている間、ずっと模索し続ける……そもそも、人生とはそういうものですからね。

多職種間で協力体制をつくり地域医療をインフラに

― 新宿ヒロクリニックには、医師や看護師以外にもさまざまな専門職のスタッフがいらっしゃいますよね。

そうですね。院内はもちろんのこと、院外も含めた多職種恊働を進めています。今の時代や社会が医療に求めることに対して、それなりのレベルで応えていくためには、医療をひとつのインフラとして整備していかなければならないんです。

― なるほど……。

24時間365日対応できる体制づくり、さまざまな診療科はもちろん、介護や福祉、リハビリや緩和ケアなどとの連携――これらはすべて、医療を地域インフラにしていくための取り組みです。

― 院外にある薬局や介護施設などとの協力体制は、どのように構築しているのですか?

連携の中心になるのは、あくまでも患者さんです。私たち病院が出発点になるわけではありません。患者さんの事情に応じて、必要とされる職種の方々と協力体制を作っています。

― その都度、必要に応じて連携するということですね。そうした専門職のみなさんとは、普段から地域内でつながりがあるものなのでしょうか。

そうですね。大勢の専門職が恊働してひとりの患者さんを診るのは、なかなか難しいことです。「どういう風に患者さんを支えるか」という理念が一致していたとしても、立場が異なれば状況の見方も、対応方法も変わりますから。

それは、例え同じ院内にいても同じ。一朝一夕で多職種間の協力関係ができるわけではありません。院外ならなおさらです。

だからこそ、「薬を届けてもらう」など、最初は簡単な連携からはじまります。お互いにできるだけ顔を合わせたり、患者さんを一緒に見ていくうちに関係ができ、本格的な連携はその延長線上でようやく実現していくものだと考えています。

薬剤師は「患者さんの代理人」今、必要な服薬指導とは

― 多職種連携の中で、薬局や薬剤師とはどのような協力体制を作っていますか?

実はまだ、きちんとした訪問服薬指導ができる薬剤師さんが少ないんですよね。外来・在宅関わらず、医師と薬剤師の連携は不可欠なのですが……。

現状、一人暮らしのお年寄りや認知症患者などが増えているため、薬の管理ができない人が非常に多いんです。そこで膨大な残薬や副作用の問題、あるいはきちんと服薬しないことによって治療効果が弱まってしまうケースなどが出てきています。

― そこで、訪問による服薬指導が必要になるのですね。

そうです。訪問服薬指導は、患者さんが薬を使って安心した療養生活を送れるようにするためのもの。決して薬の説明だけすればいい、というものではありません。

― そうした薬剤師の存在が、今現場で求められているということですか?

私たち医師としては、これからそういった薬剤師さんが育ってくれることを期待しています。

単なる薬効の知識や、薬の成分を勉強するとか、そういうことではないんです。その患者さんの生活背景や精神状態、治療の背景に至るまで、きちんと理解を深めたうえで適切にアプローチするのが、本当の意味での「服薬指導」です。

例えばいつも多く薬を飲み過ぎてしまう患者さんがいたら、「それはなぜか」と想いを馳せる。きちんと服薬してくれない人がいるなら、「どうしたら飲んでもらえるか」を考える。そうした配慮をできることが、今の薬剤師に求められるスキルだと思います。

― なるほど。

薬剤師さんはある意味、患者さんの「代理人」です。在宅医療の現場には大勢の医療関係者、多くの職種が関わりますから、「代理人」という立場から全体を見て、患者さんの生活をコーディネートできるようになってほしいですね。

医療機関として守るべき4つの責務を軸として

― 新宿ヒロクリニックでは在宅医療に取り組む医院として、4つのミッションをクレドとして掲げていますよね。その意味について、最後に改めて教えていただけますか?

このクレドは、医療機関としての責務を示しているものです。「患者さんに対する責務」、「時代に対する責務」、「連携機関に対する責務」、そして「自分たちの仲間に対する責務」の4つですね。こうしたものを一つひとつ、きちんとこなしていくことが大切だと考えています。

そしてそれは、私たちにとっての「正義性」を示すものでもあるんです。患者さんはもちろんのこと、今の時代にとっても、連携している各機関にとっても、周りの仲間にとっても正義を通せるように。

私たちとしては、この4つの責務を軸として真ん中に掲げ、自分たちの行動がそこからズレていないか、確認しながらこれからも進んでいきたいと思っています。

カテゴリの記事一覧

祐ホームクリニック吾妻橋/井上貴裕先生 医療と介護、行政すべての垣根を取り払って、在宅医療を“地域の団体戦”に

恵泉クリニック/太田 祥一先生 24時間体制で安心できる在宅医療のために、救命救急医ができること

浅草二天門クリニック/竹﨑 伸一郎先生 医療の担い手として、“今”の時代が求めるあり方を模索していきたい

セツルメント診療所/下山 省二先生 在宅医療で何よりも大切なのは、患者さんに対する「観察力」とアンテナの高さ

新宿ヒロクリニック/英 裕雄先生 医療機関としての責務を果たし、患者さんの人生に寄り添っていくために

明正会錦糸町クリニック/安池 純士先生 患者さんが、住み慣れた地域で一生過ごせる医療体制をつくっていきたい