2回就活をした学生を紹介します。
その学生は大学入学前に1年浪人をして薬学部に進学をしました。なんとか5年次まで進級をしてきていよいよ就活。内資系製薬メーカー(MR職)の内定を得ることができました。
ところが、卒業することができず留年…内定を頂いていた企業は、残念ながら内定辞退を申し出ることになりました。
数日後、その学生は再度就活を開始します。
悔しさをバネに自己分析から丁寧にやり直しました。大学生活だけでなく、もう少し前のことから掘り起こしていきました。そして留年に至った自分自身のこと、その悔しさを言葉として発信することができるように気持ちを整えていきました。
そのような取り組みの結果、就活生からとても人気のある大手製薬メーカーに就職をすることできました。
選考では“どんな人か・どんなことに取り組みたいのか”という2軸が大切です。それらを伝えるために、さまざまな経験を説明材料にして語ります。
そのため、浪人・留年時代をしっかりと振り返り、自分なりに人生の中に位置づけることが大切です。自分を形作るものは成功体験だけではありません。困難と向き合う際に自分自身の強みが発揮された、ということもあるのではないでしょうか。
浪人・留年をしていた時間は、自分自身にとってどのような時間でしたか?その当時、どのように感じていたのかをしっかりと振り返ります。
さらに「今振り返ってみてどのように感じるのか」ということを考えて受け止めること。そして他者に説明できるくらいに、自分自身の中で“消化”をすることが大切です。
人生の歩みは本当に人それぞれです。
単純に受験で失敗をして浪人生活を過ごした人だけでなく、何らかの事情で大学生になる前に時間を要した人、一度は入学したものの、自然災害や家庭の事情で継続した学びができなくなってしまった人…さまざまな経験を重ね大学生活を過ごしています。
まずは「数年の遅れ」を自分自身でしっかりと受け止めること。そこで感じたことや学びをしっかりと言葉にしましょう。そして、それらを採用担当者に届ける勇気を持ちましょう。
そうすれば、共に働きたいと思ってもらえる就職先に必ず出会えるはずです。自分で自分のことを諦めず挑戦を続けて欲しいと思います!
<執筆者プロフィール>
坂田 康子(Yasuko Sakata)
国家資格「キャリアコンサルティング技能士 (2級) 」保有
首都圏大学で約12年間学生サポートに携わり、2019年8月にタレントゲートへジョイン。現在は個別面談と文章添削サービスを担当。一人ひとりにとってより良いキャリア選択の実現を目指し、寄り添い、親身になってくれる人柄も人気である。