国家試験対策コラム 第3回 (全12回) −チャンク化勉強法−
前回までのコラムでは科目横断的に繋げる感覚をお伝えしましたが、今回はチャンク化をご紹介します。
こちらも単なる暗記ではない、効率的な勉強方法なのでぜひ取り入れてみてください。
では、さっそく見ていきましょう。
チャンク化とは

新しい用語などを学ぶ際、語呂を使ったり、何回もテキストを読んだりなど様々な手法があると思います。しかし語呂やテキストをただ読み返していくことは、科学的に示されている効率の良い勉強法とは言えません。

「チャンク化」のチャンクとは「意味のあるかたまり」です。複数の用語に自分なりの枠組みを作り、グルーピングしていきます。これによって、一つ一つの独立した言葉を枠組みとして把握することができるので記憶に定着しやすくなります。

チャンク化の例を見てみよう

それぞれの科目についてチャンク化の例をご紹介していきます。
ちなみに「それぞれの科目について」と言いましたが、枠組みによっては科目で区切ることにあまり関係なく記憶を引き出すことができるようにもなります。

生物

このような形で、メモリーツリーを意識することで繋がりが見えてきます。初めは確かに、用語の理解や定義など本質の理解をしなければ繋がりを意識することは難しいです。しかしひとたび繋がり始めると、問題を読みながら答えを連想・推測できるようにもなります。理由付けなどの理解で繋がる知識は、試験のような非常に緊張する環境でも、語呂より強力な武器になります。

コツとしては、まず覚えたい言葉を書き出し、その言葉に優先順位をつけます。上記の例で考えてみましょう。

生物でアラキドン酸カスケードを学ぼうとすると、まず確実にシクロオキシゲナーゼとリポキシゲナーゼの記載があります。つまり、優先順位としては非常に高めです。それはシクロオキシゲナーゼが、 NSAIDsによる解熱鎮痛作用の作用点になっており、生物と薬理を繋ぐところでもあるためです。COXを阻害した先のPG(発痛作用)による炎症を抑制する主作用と、PGE2抑制による胃粘膜保護機能低下に伴う胃腸障害を説明できます。

さらに、LTによる気管支収縮作用という部分、薬理で考えるなら「~ルカスト」の作用機序はLT受容体遮断作用です。PGI2による血小板凝集抑制作用を主作用として捉えればベラプロストが存在します。

次は多くの人が苦手とする化学のチャンク化です。

化学

有機化学の場合、単純なチャンク化よりも化学構造としてどうなっているから、どういう反応をしやすいのかを理解する必要があります。例えば有機ハロゲン化合物であれば、1級と3級で構造としての性質が異なります。3級のようにメチル基など電子供与基が付加していると、カルボカチオン中間体が安定するためSN1反応が起こりやすいです。

アルケンであれば、二重結合が存在しています。構成としては結合がしっかりしているσ結合と弱いπ結合からなっています。つまりπ結合と、試薬(水素やハロゲン)が反応します。

薬理―薬剤―法規

この例は、薬理から法規までチャンク化しています。

アミオダロンと言えば、不整脈薬を連想することが多いと思います。しかし規制薬物の観点から見ると毒薬に分類され、同時に法規分野から管理方法へ連想することが可能となります。
CYP阻害作用という特徴を把握出来ていれば、相互作用の観点から薬剤の範囲へグループ化の範囲を広げることが出来ます。

次は前回コラムでもあった、生物から薬理、病態のグループ化です。

生物―薬理―病態

この連想、枠組みは前回もお話ししたことと被るので割愛します。

化学―薬理ー物理

これはあまり連想しにくい、化学構造から物理までチャンク化する例です。

カテコールアミンとイソプロピル基からは、イソプレナリンが連想されます。イソプロピル基をNMRで学ぶと、自身がもつ水素と自分から伸びているメチル基のもつ水素を考えることから1Hで多重線のスペクトルです。

このチャンク化により、有機的構造から物理、薬理の知識を思い出すことができます。

少しずつチャンク化を意識してみよう

私はこのように繋げられない、という声も聞こえてきそうですが、実際勉強していく中で「あの言葉さっきも出てきた」とか「ここに繋がるのか」といった発見もあると思います。それを今までのように流したり、適当に考えたりせずにチャンク化してみてください。

このように芋づる式に知識を繋げていくと、模試や本番など緊張する場面でも本質を理解しているため、忘れにくく思い出しやすくなります。

テキストをただ読む、問題をただ解くのではなく、ここで大事な「言葉」は何だろう?と意識だけでもしてみてください。それがチャンク化の第一歩です。

「最低限の暗記で最大限の理解・繋がりを得る」

そういった勉強法を通して効率的に進めていきましょう。もちろんグルーピングするまでは比較的大変な作業にはなりますが、繋がりだすと知識は確実に広がっていきます。

<執筆者プロフィール>
滝本大輔(Daisuke Takimoto)
薬剤師歴4年/国家試験・定期テスト指導歴9年
大手チェーン薬局に現役薬剤師として勤務しながら、個人の性格や理解に合わせた超オーダーメイドの学習指導を行っている。現在は心理学を応用した指導方法に注力しており、学習だけではない細やかな気配りや人柄も人気である。

LINEでタレントゲートの

公式アカウントを友だち登録!

※友達登録のみではイベント予約はできません

友達登録完了後、

マイページを発行しよう!

※完了後、発行のご案内が届きます

LINE登録することで・・・
  • ・困ったときに気軽に連絡できる
  • ・イベント告知や役立ち情報を見逃さない
マイページを発行(会員登録)することで・・・
  • ・様々なイベント、講座に参加できる
  • ・個別相談、ES添削などなど予約可能
  • ・会員限定の特別な記事が読める
※LINEで友達登録が完了するとマイページ発行のご案内が届きます。

新規登録