国家試験対策コラム 第6回 (全12回) −テキストの読み方vol.2−
前回は「テキストの読み方」についての導入をお伝えしました。
初めて触れるテキストを読む際は、いきなり細かい部分を押さえようとするのではなく大枠を掴んで、接続詞をポイントとして全体の流れを掴みましょう。

そして、それぞれの事柄の位置づけを把握することで、次に関連した用語や問題が現われた時「あの時に見た!」「あの時にやった!」のような感覚が増えていき、繰り返される中で定着していきます。

今回のコラムではさらに、テキストの読み方を深めていきます。
これは「理解する」から「説明できる」へ昇華させていくことです。

説明!?
私には絶対無理!
と思う人がいるかもしれません。

確かに問題を解く「だけ」ならば説明できる必要はないかもしれません。しかし、これまでにお伝えしてきた「思い出す力」や「定着させる力」というものは自分の言葉で話せるようになると一番効率的、かつ安定して解く力に繋がっていきます。

ぜひこのコラムを参考にして習得してください。
テキストを読む⇒説明する

前回、大きな流れを把握して文章の中から大事な箇所を抜き出していく術をお伝えしました。それを踏まえて、薬剤のADMEのうち、A(吸収)を例に説明していきます。

順序としては・・・

➀大枠を把握し、大事なところを抽出する
➁チェックした重要な箇所の修正・追加
➂重要ポイントをチャート・図式化する
➃説明できるか、自分の言葉で再構成する

青本薬剤6(薬剤師国家試験対策参考書 青本 薬剤6 (著)薬学ゼミナール)を参照していきます。
第1章に薬物の体内動態という章があります。
一般的にいう吸収とは投与(服用)された薬物が血液循環系へ取り込まれるということをまず押さえてください。

➀大枠の把握

青本を読み進めて行くと、主な吸収部位として挙げられているのは・・・

A 小腸
B リンパ管
C 口腔粘膜
D 直腸
E 皮膚
F 肺
G 注射
があります。
吸収を考える際、これらの吸収部位の特徴を把握していく必要があります。

②チェックした箇所の修正・追加

A 小腸:刷子縁膜(脂質二重層構造)の微絨毛から吸収

B リンパ管:炭素数が10以上の長鎖脂肪酸、脂溶性ビタミン、コレステロールなどが移行
⇒脂溶性成分のため胆汁酸によりミセル化されて、刷子縁膜から取り込まれた後、リンパ管へ移行
初回通過効果(参考:公益社団法人日本薬学会HP 以下同)を回避

C 口腔粘膜:直接体循環に流入
初回通過効果を回避、pH分配仮説が適用される

D 直腸:pH分配仮説が適用される、直腸中・下部から吸収された薬物は直接体循環に流入
初回通過効果を回避

E 皮膚:実質的な吸収は、角質層を透過する経路が大切
密封療法(ODT療法)(参考:マルホHP)

F 肺:肺胞から吸収
初回通過効果を回避、粒子径(0.5~1μg)

➂重要ポイントを図式化

ADMEの図式化

剤形的な観点の図式化

④自分の言葉で再構成して説明

試しに、➀~➂を踏まえて友人や親など身近な人に、自分なりの言葉で説明してみましょう。

例えば、先ほどピックアップした➀~➂の項目がキーワードになっているので単純に繋げてお話ししてみると練習になるかもしれません。

ここで、これまでのコラムを考慮すると、➁-Bの胆汁酸というところからエロビキシバットに繋げたり、➁-Cから派生するとニトログリセリンがあります。これは舌下錠で有名ですが胸痛発作時に服用し3錠まで使用できます。

さらに青本を読み進めて行くと、食事の影響の項目があります。ここで影響を受ける薬物について考慮したとき、薬物の特性を考えると理解しやすいです。

例えば脂溶性薬物については芳香環や炭化水素鎖があり脂溶性の性質が強いことが分かります。すると胆汁の分泌亢進により吸収量の増大へ繋がります。

作用機序で考えると、例えば抗コリン薬(アトロピン・プロパンテリン)はムスカリン性アセチルコリン受容体の遮断薬です。これは消化管機能を亢進させる副交感神経を抑制するため、胃内容排出速度(GER)が低下します。

まとめ

前回と今回のコラムでテキストの読み方をお伝えしました。

テキストの内容をインプットすることは勉強において避けて通ることができません。知識を定着させる最終形は、自分の言葉としてアウトプットできるということです。

以前にもお伝えしましたが、国家試験を合格することだけに焦点を当てるのであれば、傾向を分析し知識を暗記し問題に対応できるようにすれば問題ありません。
しかし、より効率的に知識を繋げて、その知識を使えるように(説明できるように)なれば今後も忘れにくくなります。

心理学的にも、人が新しいコトを覚えるためには元々定着している知識とあまりに切り離されたことはなかなか覚えられません。
方法として、先に自分が知っている知識を書きだして、既に把握している自分の中にある知識を思い出してそれに関連させていくと定着率は格段に上がります。

科目を横断させ、用語をチャンク化し、それを前提としながらテキストを読んで大事なところをインプットしていくことを意識して勉強することで脳も理解しようとします。着実に進んでいきましょう。

<執筆者プロフィール>
滝本大輔(Daisuke Takimoto)
薬剤師歴4年/国家試験・定期テスト指導歴9年
大手チェーン薬局に現役薬剤師として勤務しながら、個人の性格や理解に合わせた超オーダーメイドの学習指導を行っている。現在は心理学を応用した指導方法に注力しており、学習だけではない細やかな気配りや人柄も人気である。

LINEでタレントゲートの

公式アカウントを友だち登録!

※友達登録のみではイベント予約はできません

友達登録完了後、

マイページを発行しよう!

※完了後、発行のご案内が届きます

LINE登録することで・・・
  • ・困ったときに気軽に連絡できる
  • ・イベント告知や役立ち情報を見逃さない
マイページを発行(会員登録)することで・・・
  • ・様々なイベント、講座に参加できる
  • ・個別相談、ES添削などなど予約可能
  • ・会員限定の特別な記事が読める
※LINEで友達登録が完了するとマイページ発行のご案内が届きます。

新規登録