国家試験対策コラム 第11回(全12回)−現場視点を交えた国家試験に役立つ検査値について−
本コラムも残すところあと2回になり、年末まであと2ヶ月となりました。

これまで様々な勉強方法から休憩方法、勉強の考え方までお伝えしてきました。
今回は現場の視点を交えて、これからの勉強についてアドバイスをさせていただきます。
最近の国家試験について

最近の国家試験では、「得た知識をどのように使うか」がポイントになってきます。

増えてきたのは症例問題です。患者背景を元にして、症状・検査値・処方薬からどんな病態生理で、用法用量・薬効からどんな疑義照会が必要かを考えていくことが重要になります。

おそらく、実務実習においても様々な患者さんや処方箋、症例に触れてきたと思います。
その感覚を思い出しながら勉強していくと、知識を『使う』というイメージが掴みやすいと思います。

よく出る検査値について
肝機能

ASTやALTという検査値があります。
これは細胞内酵素であり、細胞が傷害されると血中に出てくるのでこの数値が異常に高値を示してくると肝機能障害が起きていると考えられます。

例外としては肝硬変のように既に肝細胞が繊維化してほとんど機能していないような状態の場合、出る酵素すら少ないので異常な高値は示さない可能性もあります。

基準値を覚えられない!
と感じる人は、上限は30前後かな、という感覚を持っておくだけでも良いと思います。

肝臓は、蛋白質を合成したりアンモニアを尿素回路で解毒したりなど、非常に重要な役割を担っているので是非使える知識にしておきましょう。

現場では、肝細胞保護のためにウルソデオキシコール酸がよく使われています。
肝硬変までになるとラクツロースや、アミノレバン(アミノ酸製剤)が使われており、見るべき検査値もアルブミンやアンモニア濃度など多岐に渡ります。

腎機能

BUNやクレアチニンという検査値があります。
クレアチニンについては、腎臓がどれだけ老廃物を綺麗にする能力があるかを推算式で大まかに知ることができるクレアチニンクリアランスという指標があるので薬物動態の分野を参考に勉強してみましょう。

腎臓は体内で産生された老廃物を綺麗にするための臓器なので、腎機能が悪化していくと最終的には人工透析になってしまいます。
すると腎臓本来の機能であるリンやカリウムなどの電解質バランスを調節する能力が落ちるため、薬をたくさん服用する必要が出てきます。
電解質バランスを調整するための薬は食事の直前や直後に服用するお薬があるので用法用量にも注意が必要になります。

現場では、透析についてが重要な視点になります。

例えば腎排泄の多い薬物として抗菌薬があります。通常、セフェム系などは時間依存性のため1日に3回服用と回数を増やすことで抗菌作用を発揮させます。しかし腎機能障害がある時は1日1回服用という例外的な用量で服用することがあります。

患者さんの背景を考慮に入れることは非常に重要になります。

HbA1c

糖尿病の診断の指標になる検査値です。長期間の血糖値指標になることが有名です。

この値を一般的には7未満にしていくことが糖尿病の3大合併症である網膜症、神経症、腎症への進展防止にも繋がります。
糖尿病関連の問題では低血糖症状や、血糖降下薬の作用機序分類が大切です。最近では合剤も出てきているのでDPP4阻害薬やSGLT2阻害薬は狙い目かもしれません。

血糖値については、インスリン製剤やインクレチン製剤、経口血糖降下薬など様々な医薬品があります。
食事療法との兼ね合いもあり、食事量によっては低血糖症状の起きやすさも異なります。服薬指導の中で情報を聞き、場合によっては医師に提案していく必要もあります。

脂質異常症

LDL、HDLなどの検査値があります。
脂質異常症については生化学や生理学においても非常に重要な部分で問題が出やすいです。

脂質がどう吸収され、代謝、運搬されていくのか大きな流れを把握することで薬理の作用機序へ繋げることができます。

例えば、スタチン系ならコレステロール合成に必要な酵素を阻害しますし、コレステロールを吸収する時のトランスポーターを抑制することで吸収を阻害するものもあります。

最近ではスタチン系とトランスポーター阻害薬の合剤も出てきているので、ポイントになるかもしれません。

女性で多いのは、コレスチラミンを温水で飲んで良いか?という質問です。
この医薬品は温水では、膨張し服用しにくくなるのが特徴です。従って、なるべく冷水で服用するように指導します。このように患者さんのライフスタイルを聞いた上で服用について注意喚起することもあります。

まとめ

今回は現場的な視点も交えて、国家試験でもポイントになって出題されやすい箇所を紹介しました。

お伝えしたかったことは、インプット感覚ではなく知識を繋げる感覚です。

今までに学んだ知識を使って、
症例に触れながらどのような疾患でこの検査値だからこのようなお薬が良いのでは?
など実践的に考察する勉強をしていくと科目横断的にも繋げられますし、以前お話ししたチャンク化も徐々に出来てくると思います。

引き続き一日一日を着実に進んでいきましょう。

<執筆者プロフィール>
滝本大輔(Daisuke Takimoto)
薬剤師歴4年/国家試験・定期テスト指導歴9年
大手チェーン薬局に現役薬剤師として勤務しながら、個人の性格や理解に合わせた超オーダーメイドの学習指導を行っている。現在は心理学を応用した指導方法に注力しており、学習だけではない細やかな気配りや人柄も人気である。

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